竹崎観世音寺(読み)たけざきかんぜおんじ

日本歴史地名大系 「竹崎観世音寺」の解説

竹崎観世音寺
たけざきかんぜおんじ

[現在地名]太良町大字大浦字竹崎

竹崎島の北部高地に位置する。竹崎山略記(観世音寺蔵)に、宝治二年(一二四八)、文永一〇年(一二七三)の院主職補任下文などを伝える。法人名は竹崎山補陀洛院観世音寺平井坊。真言宗御室派。

「肥前古跡縁起」によれば、和銅二年(七〇九)行基の願により三三堂の伽藍をここに建立したと伝え、本尊の千手観音立像について次のような行基伝説を記している。

<資料は省略されています>

創建についてははっきりしない点があるが、金剛勝こんごうしよう院と関係があったものと思われる。寺の盛時は鎌倉時代で、境内に石造三重塔が残る。中世以降千葉氏・蒲池氏らの地方豪族の文書には、この寺の勢力を無視しえなかった様子がうかがわれる。さらに藩政時代になってからも、諫早いさはや邑主は寺領を寄せて祈祷をさせたり、鬼祭に代参を派遣して祭供を献じたりしている。観世音寺什物帳によれば中世には、平井坊と北の坊を両法頭として三三の坊があったという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の竹崎観世音寺の言及

【太良[町]】より

…南端の竹崎漁港は名産の竹崎ガニ,タイラギの水揚げで知られる。行基の開創と伝える竹崎観世音寺には,鎌倉後期造立の石造三重塔のほか多数の石造物があり,毎年1月には鬼祭(裸祭)が行われる。多良岳一帯は県立自然公園に指定されている。…

※「竹崎観世音寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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