第2次印パ戦争(読み)だいにじいんパせんそう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「第2次印パ戦争」の意味・わかりやすい解説

第2次印パ戦争
だいにじいんパせんそう

1965年カシミール帰属をめぐってインドパキスタンの間で行われた戦争。 64~65年インドがカシミールの地位を他の州と同じにするに及んで,停戦ラインにおける緊張は高まり,小ぜりあいが増した。 65年8月カシミールで,パキスタン側のゲリラ兵が越境したとの理由でインド軍がパキスタン側に攻撃を加え,同年9月パキスタン軍が反撃に出て,本格的な戦闘状態に発展。同6日インド軍は西パキスタンに侵入してラホールに迫り,パキスタン軍もインドに侵入。このためアメリカ,イギリスは双方への武器援助を停止。国連安全保障理事会は停戦を決議し,ウ・タント事務総長を送って調停に努めた結果,同 22日両国は停戦に同意。戦後処理にはソ連が積極的に乗出して 66年1月タシケントで両国の首脳会談が実現し,タシケント宣言が発表された。戦争は勝敗なしに終ったが,カシミール問題依然未解決のままインド亜大陸政治情勢に大きな影響を与えた。第1にソ連の影響力伸張,第2にパキスタンで「中国離れ」した M.アユーブ・カーンの地位の低下,第3にインドでは L.シャストリ首相が急死し,未曾有の食糧危機と相まって生じた政治の動揺,などである。

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