筆硯(読み)ヒッケン

デジタル大辞泉 「筆硯」の意味・読み・例文・類語

ひっ‐けん【筆×硯/筆研】

ふでとすずり。転じて、文章を書くこと。「―に親しむ」
主に手紙文で、文筆職業とする人の生活についていう語。「―益々御清栄の段」

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精選版 日本国語大辞典 「筆硯」の意味・読み・例文・類語

ひっ‐けん【筆硯・筆研】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 「ひつげん」とも ) 筆と硯(すずり)
    1. [初出の実例]「このかみ陸士衡が文章におとれりと、いきどほりて筆硯をやけり」(出典:百詠和歌(1204)九)
    2. 「封建武士に武芸を禁じ、学者の筆硯(ヒッケン)書籍を取揚るに等しく」(出典:福翁百話(1897)〈福沢諭吉〉四七)
  3. 文章を書くこと。また、その文章。文筆。
    1. [初出の実例]「自籬下而引絃歌、繞叢辺而尋筆硯」(出典:菅家文草(900頃)五・惜残菊)
    2. [その他の文献]〔後漢書‐班超〕
  4. 書簡文で、文筆に従事する者の起居などをいう語。「筆硯益々御清適の段」

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普及版 字通 「筆硯」の読み・字形・画数・意味

【筆硯】ひつけん

筆と硯。文筆。書法。〔顔氏家訓雑芸〕王襃は地冑高門)、才學優なるも、~ほ書の工みなるを以て、碣(ひかつ)の崎嶇(きく)(奔走)し、筆硯の役(仕事)に辛す。

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