(読み)シタ

デジタル大辞泉 「簧」の意味・読み・例文・類語

した【×簧】

したの意から》
雅楽器しょうリード。銅などの合金製で、竹管の下方ろうでとりつけ、息を吹きこんだり吸いこんだりして振動させて音を発する。
リード(reed)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「簧」の意味・読み・例文・類語

した【簧・舌】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「舌」の意から )
  2. 雅楽器の笙(しょう)の竹管のそれぞれのもとにつけられている金属製のリード。吹き口から息を吐きまた吸って、振動させる。こう。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「簧の字をしたとよむ、笙篳篥に通ずる歟」(出典:塵袋(1264‐88頃)七)
  3. 木管楽器オルガンなどリード楽器発音体となる部分。
    1. [初出の実例]「宇殿の芦名物にて、ひちりきの舌にもちゆ」(出典:謡曲拾葉抄(1741)江口)

こうクヮウ【簧】

  1. 〘 名詞 〙 雅楽器の笙(しょう)についている金属製のリード。した。
    1. [初出の実例]「一抑笙の簧事、此字は同吹物にて別に在之様にしるし侍を笙の簧に用事古来不知之」(出典:体源鈔(1512)一)
    2. [その他の文献]〔詩経‐秦風・車鄰〕

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普及版 字通 「簧」の読み・字形・画数・意味


18画

[字音] コウ(クヮウ)
[字訓] ふえ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(黄)(こう)。〔説文五上に「笙中の簧なり」とあり、笙の笛の舌。ふえそのものをもいう。はおそらくその声を写したものであろう。

[訓義]
1. ふえのした。
2. ふえ。
3. かんざしのかざり、歩揺

[古辞書の訓]
名義抄〕簧 シタ・シヤウノコト・タカハカリ〔立〕簧 タカハラ・フエ 〔字鏡集〕簧 コト・フエ・シタ・タカハカリ

[熟語]
簧鼓簧口簧譖簧舌簧誘・簧惑
[下接語]
鼓簧糸簧・執簧・如簧・笙簧・吹簧・竹簧・調簧・幽簧

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【リード】より

…これをフリー・リードといい,管に付けなくても楽音を作れるので,ハーモニカ,アコーディオンなどの音源にも用いられている。なお笙などの振動体を意味する簧(した)の字義を拡張して,リード一般の意味にあてている人もある。 またいわゆる〈らっぱ〉の類では,唇の振動で音を作るので〈リップ・リード〉という表現が用いられる。…

※「簧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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