木管楽器(読み)モッカンガッキ

デジタル大辞泉 「木管楽器」の意味・読み・例文・類語

もっかん‐がっき〔モククワンガクキ〕【木管楽器】

木製管楽器の総称。金属製でも、構造発音原理の同類のものは含める。フルートクラリネットオーボエなど。→金管楽器

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「木管楽器」の意味・読み・例文・類語

もっかん‐がっきモククヮンガクキ【木管楽器】

  1. 〘 名詞 〙 木製の管楽器。歌口に唇の振動を直接に与えることによって音を作る金管楽器に対するもの。広く、構造・音色の似ている金属製のものを含めていう。フルート、オーボエ、クラリネット、サキソホンなど。普通、西洋音楽の楽器についていうが、横笛尺八・篳篥などもこの中にはいる。木管。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「木管楽器」の意味・わかりやすい解説

木管楽器【もっかんがっき】

管楽器一種西洋音楽用語で,木材製の意であるが,フルート,サクソフォーンなど現在は金属製になっているものも含む。管には管側孔をあけ,これを指で開閉することによって管の実効長を変え必要な音を得る。リードを使わないノンリードの楽器(フルートリコーダー),シングル・リードの楽器(クラリネットサクソフォーン),ダブル・リードの楽器(オーボエファゴット)の3種がある。→金管楽器ホルン
→関連項目イングリッシュ・ホルンオーボエ・ダモーレ楽器管弦楽コントラファゴットサリュソホーン吹奏楽団ディジェリドゥーバセットホルンピッコロ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

改訂新版 世界大百科事典 「木管楽器」の意味・わかりやすい解説

木管楽器 (もっかんがっき)
woodwind instruments

西洋の芸術音楽の用語で,管楽器のうち可視的な振動体をもたないもの(フルートの類)と,リードを用いて鳴らすものとの総称。もとは金管楽器に対して木製の楽器のことであったが,現在では実際の材質にかかわらず,発音機構から〈木管〉と〈金管〉を区別している。たとえば,現代型フルートとかサクソフォーンなどが,金属製であることを原則としているのに〈木管〉の仲間とされるのはそのためである。〈木管〉と〈金管〉との間には,音の性格や運動能力などの違いがあり,両者の対立的分類は西洋の音楽文化の流れの中で,それなりの必然性があったといえよう。しかし名の由来と実態が一致せず,ことに〈木管〉はその内容が雑多にすぎるといった問題があり,この語を洋楽以外の文脈中で用いることには慎重を要する。

 最も基本的な木管楽器としては,次の四つを挙げるのが普通である(それぞれの代表的同族楽器をかっこ内に入れる)。(1)フルートピッコロ),(2)オーボエイングリッシュ・ホルン),(3)クラリネット(小クラリネット,バス・クラリネット),(4)ファゴット(コントラファゴット)。(5)としてサクソフォーンを加えることもできる。構造型式からみると,(1)はノンリード(現代型は円筒管),(2)と(4)はダブル・リード円錐管,(3)と(5)はシングル・リードで,(3)が円筒管,(5)が円錐管である。オーボエとファゴットは17世紀中葉,器楽興隆期のさなかに,在来の楽器をもとにして作り出され,同じころフルートも大改造を受けて一新した。ややおくれてクラリネットが,やはり前からの楽器をもとにドイツで作られる。18世紀末に管弦楽の古典的定型が完成したとき,木管楽器群の定席を占めたのがこれら四つの楽器である。サクソフォーンは19世紀中葉の登場で,活躍の場は吹奏楽や大衆音楽の比重が大きい。
 →リード
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「木管楽器」の意味・わかりやすい解説

木管楽器
もっかんがっき
woodwind instrument 英語
Holzblasinstrument ドイツ語
instrument à vent en bois フランス語
strumento di legno イタリア語

概括的には、木を材料とした管楽器の総称だが、木製ではない木管楽器も少なくない。たとえば、フルートは元来木製だったが、現在使われているのは金属製のものが圧倒的に多い。サクソフォーンは発明当初から金属製だが、発音にリードを用いているため、木管楽器に含められる。他の楽器でも、合成樹脂や金属でつくられたものが少なくない。木管楽器は、リードによって発音されるものと、フルートのようにエッジ音によるものとに大別でき、前者はさらに、シングル・リード(単簧(たんこう))のものとダブル・リード(複簧)のものとに分けられる。しかし、それぞれのなかでも、たとえば、単簧のクラリネットとサクソフォーン、複簧のオーボエとファゴットなどでは、かなり性格が異なっており、金管楽器と比べて「木管楽器」の名の下での統一感は乏しい。

[前川陽郁]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「木管楽器」の意味・わかりやすい解説

木管楽器
もっかんがっき
woodwind instruments

木や竹の類で作り,息を吹込んで鳴らし,指孔を押えて,高低の音を変化させる管楽器。日本の横笛などに代表される笛の類をさす。現在は金属,プラスチックなどで作られるものも多いが,金属で作る場合でも発音機構が金管楽器とは異なる。管内の音振動を起させる方法によって次のように分けられる。 (1) リード (簧) を使わないもの フルート,ピッコロ,尺八,篠 (しの) 笛,雅楽や神楽に使う横笛。 (2) 1枚のリードを使うもの クラリネット,サクソフォーン,笙 (しょう) 。 (3) 2枚のリードを使うもの オーボエ,ファゴット (バスーン) ,篳篥 (ひちりき) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の木管楽器の言及

【管楽器】より

…(3)はいわゆるらっぱ類で,唇がリードの働きをするので,リップ・リードなどともいう。西洋では(1)と(2)の方式の楽器を指して木管楽器,(3)を金管楽器と呼ぶ習慣があり,実際の材質とときに不一致のまま行われている。管楽器のピッチを決定するのは管の長さと内部における空気の振動様式(開管または閉管)である。…

※「木管楽器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android