(読み)しいし

精選版 日本国語大辞典 「籡」の意味・読み・例文・類語

しいし【籡・簇】

  1. 〘 名詞 〙しんし(籡)
    1. [初出の実例]「 シヒシ 簇イ本 張衣具也」(出典色葉字類抄(1177‐81))

籡の語誌

( 1 )「色葉字類抄」や「字鏡集」にある「シヒシ」がこの語の古い仮名遣いと見られるが、表記に揺れがあり、仮名遣い未詳のいわゆる疑問仮名遣いである。
( 2 )「籡」という字体は、国字とされるが、古くは「簇」など類似の字を用いる。「シイシ」は、語源説が複数あるがいずれも本来和語であると説かれる。


しんし【籡・簇・伸子】

  1. 〘 名詞 〙 両端に針のついた竹製の細い串。竹の弾力を利用して、布の洗い張りや染色をする時、布幅を張り伸ばすように布の両ふちにまたがらせて刺し留める。また、製織中、織物の幅が狭くならないように一定の幅を保持するとともに、耳糸切断と筬(おさ)損傷を少なくするために用いる。古くは串の両端を細くとがらせて用いた。しいし。しし。
    1. [初出の実例]「こうやにたらぬ物ならば、しんしきぬばりのやうな物ではなかったか」(出典:狂言記・絹粥(1660))

しし【籡】

  1. 〘 名詞 〙しんし(籡)名語記(1275)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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