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米国債格下げ べいこくさいかくさげ

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知恵蔵2015の解説

米国債格下げ

2011年8月5日、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、米長期国債格付けを最上位の「AAA(トリプルエー)」から「AA+(ダブルエープラス)」に1段階引き下げた。大手格付け会社が米国債を格下げしたのは初めてで、「世界で最も安全な投資先」と見られていた米国債の格下げは、世界の株安を招くなど大きなショックを与えた。
格付けは、国や地方自治体、企業などが発行する債券などについて、財務状況や収益力を分析して元本と利息が支払われるかどうかの確実性を評価するもの。S&Pの他、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、フィッチ・レーティングスが、3大格付け会社として知られている。これら大手格付け会社は、今回S&Pが引き下げるまで、米国債を一貫して最上位に位置付けており、S&Pでは1941年の設立から米国債の格付けを債務履行が最も確実と見られるAAAとしていた。
S&Pが米国債を格下げした主な要因は、米国の財政赤字の大きさである。同社は2011年4月、他のAAA国と比較して財政赤字が大きく、債務が増加しており、削減の道筋も明らかでないとして、長期格付け見通しを引き下げた。その当時、米国では、不況対策などで借入額が膨らんだことにより、政府の債務が法律で定められた上限に達する見通しが明らかになっていた。上限を引き上げなければ国債を新たに発行できず、発行済みの米国債が債務不履行(デフォルト)に陥る可能性があった。米政府は11年8月2日、債務上限を引き上げてデフォルトを回避すると同時に、計14.6兆ドル(約1100兆円)ある債務を10年間で2.4兆ドル削減する計画を決めたが、S&Pは削減幅が少ないと判断。政治情勢や経済情勢への懸念もあり、米国債の格付けを初めて引き下げた。

(原田英美  ライター / 2012年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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