朝日日本歴史人物事典 「粟津高明」の解説
粟津高明
生年:天保9.4.29(1838.5.22)
明治前期のキリスト教牧師。江戸生まれ。最初は桂二郎と称した。近江滋賀郡の膳所藩士であったが,維新前に脱藩。横浜でJ.C.ヘボン,J.H.バラなどから英語を学ぶ。目的は西洋事情を知るためであったが,キリスト教に接し感服し,明治1(1868)年バラから受洗。「公会名簿」の最初に名前が記されている。その後海軍兵学寮(のち兵学校)で英語を死ぬまで教授するとともに,学生たちに伝道をする。築地の新栄教会の会員であったとき,宣教師からの独立を主張し,麻布の自宅に「日本基督教会」(霊南坂教会の源流)を設立し,牧師となる。教会の独立・自治を強く主張したユニークなキリスト者であった。<参考文献>佐波亘編『植村正久と其の時代』2巻
(原島正)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報