精選版 日本国語大辞典 「精神哲学」の意味・読み・例文・類語 せいしん‐てつがく【精神哲学】 〘 名詞 〙 自然哲学に対し、精神生活の原理、本質、形成、創造、価値、目的などについての哲学的考察。心理学の基礎づけを試みる哲学で、精神科学の哲学ともいわれる。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「精神哲学」の意味・わかりやすい解説 精神哲学せいしんてつがくphilosophy of spirit 人間社会と文化についての哲学的考察の総称。哲学史的にはヘーゲル,B.クローチェ,O.アムランらの哲学をいう。ヘーゲルはその『エンチクロペディー』 (1817) において精神哲学を明確に示した。そこでは精神哲学は精神の自己認識であるとされ,精神の段階が主観的精神,客観的精神,絶対的精神に分けられた。絶対的精神は精神の最高段階であり,芸術,宗教,哲学の3つがあげられるが,哲学は絶対的精神の哲学の哲学つまり論理学となり,「エンチクロペディー」の起点である論理学に還り,円環をなす。そしてこの意味で真理は全体であり,精神哲学は全体の哲学であるとされる。クローチェはヘーゲルの影響を受け,現実は精神であり,したがって現実の学としての哲学は精神の学でなければならないとした。 G.ジェンティーレにも精神の一般理論が試みられている。またアムランも諸関係の結合としての絶対者が精神であるという精神哲学の立場に立っている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報