コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

精神科学 セイシンカガク

5件 の用語解説(精神科学の意味・用語解説を検索)

デジタル大辞泉の解説

せいしん‐かがく〔‐クワガク〕【精神科学】

精神に関する諸科学の総称。心理学・倫理学・言語学・法学・経済学・歴史学・社会学など。19世紀後半、ドイツに起こった学問的研究でディルタイらに代表される。自然科学の説明的‐構成的方法に対し、精神科学の方法は分析的‐記述的、体験‐表現‐理解であるとされた。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

精神科学【せいしんかがく】

ドイツ語Geisteswissenschaftの訳。自然科学に対する語で,人間精神の客観的所産としての文化形象(学問,芸術,宗教,法律,政治,経済など)を対象とする学問をいう。
→関連項目人文科学

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

世界大百科事典 第2版の解説

せいしんかがく【精神科学 Geisteswissenschaften[ドイツ]】

1840年代以来の用語。はじめヘーゲル学派に単数形の〈精神の学〉〈精神学〉〈精神論〉などと訳される用法があるが,J.S.ミルの《論理学体系》(1843)の独訳(1849)に当たり,自然科学に対立する〈道徳科学moral sciences〉が精神諸科学と複数形で訳され,ディルタイの《精神諸科学序論》(1883)やブントの著作活動によって流布し,自然科学以外の経験科学の総称とされるに至った。ディルタイはその対象を歴史的社会的現実とし,方法的基礎ははじめは記述的分析的心理学のちには解釈学とした。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

せいしんかがく【精神科学】

人間精神の所産(心理・倫理・言語・法・経済・歴史など)を扱う人文社会科学の総称。物質を扱う自然科学の因果的方法とは違って、精神生活はこれを追体験する了解的方法によるべきであるとして、ブント・ディルタイなどが唱えた。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

精神科学
せいしんかがく
Geisteswissenschaftenドイツ語

自然科学に対して、歴史、文化、社会などの人間的事象を研究する諸科学を意味し、ドイツにおいて主として19世紀以降、古代ギリシア以来のさまざまな学問論とドイツ観念論、ないし精神哲学の伝統とが結び付くことによって、術語として形成・使用された。内容的にはほぼ今日の社会科学人文科学にあたるが、ときとして歴史科学あるいは文化科学ともよばれた精神科学の概念を明確化し、その方法論的基礎づけを確立したのはとりわけディルタイである。彼はそれを「歴史的社会的現実を対象とする科学」「精神的諸現象の経験科学」と規定し、自然科学が物理的現象を因果的、仮説的に「説明」するのに対して、それは独自の固有な方法によって精神的世界を認識すると説く。すなわち「体験」を記述分析し、さらにいっそう普遍的に精神的生の客観態である「表現」を「理解」「解釈」することによって、生の構造連関、意味連関を概念的に把握することが、精神科学の課題とされるのである。[伊東祐之]
『ディルタイ著、山本英一・上田武訳『精神科学序説』上下(1979、81・以文社)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の精神科学の言及

【ディルタイ】より

…ドイツ観念論哲学と歴史主義の遺産を継承して,ゲーテ時代の精神的巨人たちの優れた評伝(《体験と創作》として1905年にまとめられたゲーテ論やヘルダーリン論)や,ルネサンスやライプニッツに関する卓抜な論稿を著し,いわゆる精神史的傾向の中心的存在となった。これらはドイツ文学研究をはじめとする個別的精神科学に大きな影響を与えている。だが,彼の哲学的意義は,いわゆる精神科学の存立根拠と方法意識に関する――自己の具体的な歴史研究に根ざした――鋭く深い反省的考察にある。…

【人間科学】より

…とくに人間を精神的存在としてとらえる哲学的伝統の強かったドイツでは,経験科学の伝統の強いイギリスやフランスに対して,この矛盾に敏感であった。イギリスでは,たとえばJ.S.ミルはモラル・サイエンシズという言葉で歴史学,文献学(言語学),経済学,社会学,人類学,心理学,法学,宗教学などを含む〈人間本性に関する諸科学sciences of human nature〉を意味したが,この語はドイツ語に訳されて〈精神科学Geisteswissenschaft〉となり,やがてディルタイが客観化された精神としての〈文化〉を理解する解釈学的探求の学をこの名で呼んだ。また新カント学派のウィンデルバントやリッケルトは,〈歴史科学Geschichtswissenschaft〉〈文化科学Kulturwissenschaft〉という語で,人文諸科学を自然科学とは本質的に異なる科学として分別しようとした。…

※「精神科学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

精神科学の関連キーワード止揚新ヘーゲル学派世界精神ヘーゲル学派新ヘーゲル主義青年ヘーゲル学派フォイエルバッハヘーゲル弁証法ヘーゲル,F.ヘーゲル右派

今日のキーワード

災害派遣

天災地変その他の災害に際して,人命または財産の保護のために行なわれる自衛隊の派遣。災害出動ともいう。都道府県知事などの要請に基づいて,防衛大臣が派遣することを原則とするが,特に緊急を要する場合,要請を...

続きを読む

コトバンク for iPhone

精神科学の関連情報