糜爛(読み)びらん

精選版 日本国語大辞典 「糜爛」の意味・読み・例文・類語

び‐らん【糜爛】

〘名〙
① かゆの煮えくずれたように、ただれくずれること。また、国などの乱れすたることや、人民疲弊のはなはだしいことにたとえる。
新論(1825)国体上「天下鼎沸、万姓糜爛」 〔孟子‐尽心・下〕
② つぶすこと。むだにすること。
童子問(1707)下「近世諸大儒、亦多以此糜爛許多歳月
医学で、皮膚粘膜表層が脱落した状態。ただれ。
月暈(1953)〈島尾敏雄〉「表面傷口が無いということは、却って悪い状態で、目に見えない場所で糜爛(ビラン)は進行し」

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デジタル大辞泉 「糜爛」の意味・読み・例文・類語

び‐らん【××爛】

[名](スル)
ただれくずれること。「糜爛した時代風潮」
皮膚や粘膜の上層細胞がはがれ落ち、内層が露出している状態になること。ただれ。

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普及版 字通 「糜爛」の読み・字形・画数・意味

【糜爛】びらん

ただれる。哀弊のさまをいう。〔孟子、尽心下〕梁の惠王、土地の故を以て、其の民を糜爛して之れを戰はしめ、大いに敗る。~是れを之れ、其の愛せざるを以て、其の愛するぼすと謂ふ。

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世界大百科事典(旧版)内の糜爛の言及

【胃潰瘍】より

…胃壁が内側からえぐられ組織欠損を起こした状態をいう。胃壁の欠損が表面の粘膜にとどまるものを糜爛(びらん)と呼び,粘膜下層より深い組織欠損を潰瘍と呼んで区別することが多い。大部分の潰瘍は,なんらかの原因によって胃の組織が胃液の酸やペプシンに消化されて生じるもので,消化性潰瘍とも呼ばれている。…

【潰瘍】より

壊死をおこした組織が融解したり,剝離(はくり)したあとに,臓器の表面にできた組織欠損部をいう。ごく浅いものは糜爛(びらん)といわれる。潰瘍ができる場所は,壊死物質が容易に除去される部位,すなわち,皮膚,鼻口腔粘膜,角膜など体表に接する場所や,消化管,気道,尿路,血管などの管腔臓器の内腔面である。…

※「糜爛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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