…紙屋院では1日に120~200枚ほどの紙をすき,毎年2万枚を内蔵寮(くらりよう)に納めることが《延喜式》に定められている。平安時代には野宮(ののみや)の東(嵯峨野)にあったことが《西宮記》に記されており,その近くを流れる天神川は今なお紙屋川ともいわれている。紙屋院ですかれた紙は紙屋紙と呼ばれ,上質で,写経や宣旨・綸旨の紙,あるいは宮廷での使用等にあてられたようで,《源氏物語》などの文学作品にも見られる。…
※「紙屋川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」