紙屋川(読み)カミヤガワ

デジタル大辞泉 「紙屋川」の意味・読み・例文・類語

かみや‐がわ〔‐がは〕【紙屋川】

京都市西部を流れる川。鷹峰たかがみね山中に源を発し、北野天満宮の西を流れたのち、天神川となって桂川に合流する。[歌枕

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「紙屋川」の意味・読み・例文・類語

かみや‐がわ‥がは【紙屋川】

  1. 京都市街西部の川の名。天神川の上流部をいう。北区鷹峰の山中に発して北野神社平野神社の間を流れ、桂川に注ぐ。平安時代、この川のほとりに紙屋院(かみやいん・しおくいん)が置かれたのでこの名がある。神谷川西堀川
    1. [初出の実例]「かみやがは むばたまのわが黒髪や変はるらんかがみのかげにふれる白雪〈紀貫之〉」(出典:古今和歌集(905‐914)物名・四六〇)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「紙屋川」の意味・わかりやすい解説

紙屋川
かみやがわ

京都市街の西部を南流する川。北区鷹峯(たかがみね)に源流し、南区吉祥院(きっしょういん)で桂(かつら)川に流入する。全長約14キロメートルの小河川。平安時代には北野付近に紙師が居住し、紙屋院(かみやいん)の管理のもとに朝廷用の紙漉(かみす)きが行われたので紙屋川と称するが、現在は鷹峯千束(せんぞく)町以南は天神川ともよばれる。また北野天満宮付近の河畔には豊臣(とよとみ)秀吉のつくった御土居(おどい)が残る。

織田武雄

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の紙屋川の言及

【紙屋院】より

…紙屋院では1日に120~200枚ほどの紙をすき,毎年2万枚を内蔵寮(くらりよう)に納めることが《延喜式》に定められている。平安時代には野宮(ののみや)の東(嵯峨野)にあったことが《西宮記》に記されており,その近くを流れる天神川は今なお紙屋川ともいわれている。紙屋院ですかれた紙は紙屋紙と呼ばれ,上質で,写経や宣旨・綸旨の紙,あるいは宮廷での使用等にあてられたようで,《源氏物語》などの文学作品にも見られる。…

※「紙屋川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android