紺紙(読み)コンシ

デジタル大辞泉 「紺紙」の意味・読み・例文・類語

こん‐し【紺紙】

紺色に染めた紙。写経などに用いる。

こん‐がみ【紺紙】

紺色の紙。藍紙こんし。

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精選版 日本国語大辞典 「紺紙」の意味・読み・例文・類語

こん‐し【紺紙】

  1. 〘 名詞 〙 紺色に染めた紙。金泥銀泥で写経するのに用いる。こんがみ。
    1. [初出の実例]「天下大疫す。爰に帝皇自ら黄金を筆端に染め、紺紙を爪掌に擡げ、般若心経一巻を写し奉る」(出典:古今著聞集(1254)二)

こん‐がみ【紺紙】

  1. 〘 名詞 〙 紺色に染めた紙。あいがみ。こんし。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「紺紙」の意味・わかりやすい解説

紺紙
こんし

藍(あい)で紺色に染色した和紙。「こんがみ」ともいう。『正倉院文書』にある染め紙の名称「深縹(ふかはなだ)」はこの色のことをさし、実物が『色麻紙(いろまし)』19巻のなかにみられる。紺紙に金泥(きんでい)または銀泥で写経した例は、744年(天平16)に書かれた『華厳経(けごんきょう)』をはじめとして、平安時代に装飾経(美しく飾る目的で華美に装飾した特殊な写経)として華麗な流行をみた。とくに『久能寺経(くのうじきょう)』や『平家納経(のうきょう)』などが有名である。

[町田誠之]

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