地球上の時刻は各経度ごとに異なり,東へ15°進むごとに1時間の割合で進み,逆に西へ進むごとに同じ割合で遅れる。したがってある地域ごとに共通な時刻を定めないと実用上不便である。経帯時は幾何学的に地球上を経度15°の幅の帯域に分割し,その中心の経度の時刻をそれぞれの帯域に割り当てたものである。経度0°を中心とする±7.5°の帯域には経度0°の時刻,いわゆるグリニジ時が割り当てられ,この経帯時はZの記号で呼ばれる。東へ15°の倍数ごとの経度を中心とする±7.5度の帯域の経帯時の記号は順次A,B,C,D,E,F,G,H,I,K,L,Mとなっている。ただしMは東経172.5°から180°で終わる半帯域である。逆に西方に向かう経帯時は順次N,O,P,Q,R,S,T,U,V,W,X,Yの記号をもつ。ただしYは西経172.5°から180°で終わる半帯域で,Mと接し,合わせて15°の帯域を占める。
執筆者:飯島 重孝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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