まぶたの裏側にある眼瞼(がんけん)結膜の表面の陥凹部や管状の陥凹部(ヘンレ腺(せん))に沈着した白色~黄白色の小塊。複数みられることが多い。眼球の結膜にみられることはほとんどなく、眼瞼をひっくり返すことで確認する。結石といってもカルシウムの沈着によるものではなく、結膜のなかの杯(さかずき)細胞からの分泌物や結膜上皮細胞タンパクの変性物質などが貯留してできたものである。結膜の慢性炎症(慢性結膜炎)などが原因で、こうした分泌物や変性物質などが増加して貯留し、嚢胞(のうほう)形成から結石に移行する。また、高齢者に多くみられるため加齢現象の一つとも考えられるが、原因不明のものも多い。そのほか、角膜乾燥を伴うドライアイの患者やコンタクトレンズ着用者にも多くみられる。
塊が小さい初期には痛みは伴わず自然に治癒することもあり、異物感などの自覚症状がなければ処置せず経過を観察する。しかし塊が徐々に大きくなると、眼瞼結膜の表面から突出して眼球面に触れるようになるため、異物感を訴えるようになる。この場合には、点眼麻酔後に注射針(異物針)などを用いて結石を除去する。ただし、対症的に除去しても再発することが多い。
[編集部 2016年5月19日]