結解(読み)ケツゲ

デジタル大辞泉 「結解」の意味・読み・例文・類語

けつ‐げ【結解】

仏語煩悩ぼんのうに縛られて自由でないことと、悟りを得て煩悩を脱すること。
《「けっけ」とも》しめくくりの勘定決算。〈日葡

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精選版 日本国語大辞典 「結解」の意味・読み・例文・類語

けつ‐げ【結解】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「げ」は「解」の呉音 )
  2. ( 「けっけ」とも ) 事物を勘定すること。決算。結計。けげ。けちげ。
    1. [初出の実例]「以前雑事、且大底如此、所々御書返事、追以進上、々結解未被勘定」(出典:九条家本延喜式裏文書‐康保三年(966)五月三日・清胤王書状)
  3. 仏語。煩悩に束縛された不自由さ(結)と、その束縛から脱すること(解)。
  4. 盲人が官金納をつかさどること。また、その職。
    1. [初出の実例]「撰有材之検校四人、而使官銀等之出納、是謂結解」(出典:日次紀事(1685)二月一六日)
  5. 結ぶことと解くこと。始めることと終わること。〔彌沙塞羯磨本〕

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改訂新版 世界大百科事典 「結解」の意味・わかりやすい解説

結解 (けちげ)

〈けつげ〉〈けけ〉ともよむ。qecqeケッケ(《日葡辞書》)。勘定の始末をつけること,決算すること。多くの場合,荘園の経営にあたった荘官が,現地で年貢・公事の収支決算を行うことを〈結解を遂ぐ〉といい,現地から領家に対してそれを報告した文書を〈結解状〉と称する。平安時代には官物の結解作法があり,郡郷司作成の結解状を税所→目代→国司と上呈して国判をうけた例がみられる。鎌倉時代中ごろからは,年貢収納代官による請負になったり,現地の未進分増加,支出増加により,荘園内における決算を要するようになり,代官から注進状の形式で領家に対して決算報告の結解状を送った。また年貢に限らず,関銭徴収にあたって,毎日の収入を1年分集計し,諸経費差引きのうえ収支決算することを〈結解アルヘシ〉と定めたり,鎌倉まで出張した荘官の日別経費を全出張期間集計した決算報告書も〈下向用途結解状〉といわれた。
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世界大百科事典(旧版)内の結解の言及

【結解】より

…勘定の始末をつけること,決算すること。多くの場合,荘園の経営にあたった荘官が,現地で年貢・公事の収支決算を行うことを〈結解を遂ぐ〉といい,現地から領家に対してそれを報告した文書を〈結解状〉と称する。平安時代には官物の結解作法があり,郡郷司作成の結解状を税所→目代→国司と上呈して国判をうけた例がみられる。…

【結解】より

…勘定の始末をつけること,決算すること。多くの場合,荘園の経営にあたった荘官が,現地で年貢・公事の収支決算を行うことを〈結解を遂ぐ〉といい,現地から領家に対してそれを報告した文書を〈結解状〉と称する。平安時代には官物の結解作法があり,郡郷司作成の結解状を税所→目代→国司と上呈して国判をうけた例がみられる。…

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