絡まる（読み）カラマル

デジタル大辞泉

からま・る【絡まる】

［動ラ五（四）］
１ 物に巻きつく。巻きついて引き離しにくくなる。絡みつく。「スクリューに網が―・る」「ロープに足が―・る」
２ 物事が複雑に結びつく。密接に関係し合う。「私情が―・る」
３ 言いがかりをつける。「酒のせいかしつこく―・ってくる」
[類語]絡む・絡み付く・巻き付く・絡み合う・まつわる・まつわり付く・まとい付く・もつれる・こんがらかる・纏繞てんじょうする

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

からま・る【絡】

1. 〘 自動詞 ラ行五（四） 〙
2. ① 細長いものなどが、まわりに巻きつく。また、うるさくまといつく。からむ。
   1. [初出の実例]「道の辺の荊(うまら)の末(うれ)にはほ豆の可良麻流(カラマル)君を別(はか)れか行かむ」(出典：万葉集（８Ｃ後）二〇・四三五二)
   2. 「筏士の箸にからまる蛍哉」(出典：俳諧・八番日記‐文政三年（1820）六月)
3. ② 同じ場所から離れようとしないで、ぐずぐずしている。
   1. [初出の実例]「山へからまり、谷へおりてのき、一人もうたれず」(出典：甲陽軍鑑（１７Ｃ初）品二四)
4. ③ 言いがかりをつけてつきまとう。しつこく無理を言って困らせる。からむ。
   1. [初出の実例]「『御二人とも御承知ぢゃありませんか』と鼻子は乙にからまって来る」(出典：吾輩は猫である（1905‐06）〈夏目漱石〉三)
5. ④ 事態が複雑に関係する。からむ。
   1. [初出の実例]「其間にからまる事情を棄てて、単に其心状のみ繹(たづ)ねてみたら」(出典：浮雲（1887‐89）〈二葉亭四迷〉三)
   2. 「偶然廃刊にからまる噂を耳にしたのであった」(出典：内村鑑三（1949）〈正宗白鳥〉三)
6. ⑤ ( ①の比喩的用法 ) 感情や欲望が束縛する。からむ。
   1. [初出の実例]「あてもないぼんやりしたお色気があって、それが話相手にからまって、へんに相手を窮屈にさせてしまふのではないだらうか」(出典：嘘（1946）〈太宰治〉)

出典　精選版 日本国語大辞典