縺れる(読み)モツレル

デジタル大辞泉 「縺れる」の意味・読み・例文・類語

もつ・れる【×縺れる】

[動ラ下一][文]もつ・る[ラ下二]
線状のものがからまり合って解けなくなる。「髪が―・れる」
足・舌などが思うように動かず、言語動作支障をきたす。「足が―・れる」
事柄が入り組んで決着のつかない状態になる。「交渉が―・れる」「試合が―・れる」
[類語](1こんがらかる絡む絡まる巻き付くまつわるまつわり付くまとい付く纏繞てんじょうする絡み付く絡み合う/(3面倒臭い世話煩雑面倒厄介手数てかず手数てすう複雑煩瑣はんさ難しいうるさい煩わしいややこしいやかましいくだくだしいうっとうしいこうるさい気詰まりしち面倒しち面倒臭い難儀煩多錯雑錯綜さくそうしち難しい入り組む込み入る手が込む気が重い気が進まない気乗り薄うんざり億劫おっくう渋る投げ遣り大儀懶惰らんだ横着怠慢怠惰不精懈怠けたい飽き飽き世話が焼ける手が掛かる冗長繁簡ごたごた入り乱れる紛糾ごっちゃ乱雑雑然

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精選版 日本国語大辞典 「縺れる」の意味・読み・例文・類語

もつ・れる【縺】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]もつ・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. からまって解けなくなる。まつわりつく。からまる。
    1. [初出の実例]「もののやふるをとのむるむる如何。答、もつれる、もつらくの反」(出典:名語記(1275)四)
    2. 「狼の性はねぢってまがりもつれてまっすぐにないぞ」(出典:玉塵抄(1563)二七)
  3. からみ合って乱れる。
    1. [初出の実例]「てふてふや埃の中をもつれゆく〈之房〉」(出典:俳諧・俳諧新選(1773)一)
  4. 事柄が複雑に入り乱れて混乱し、秩序を失う。事件が乱れて解決がつかなくなる。
    1. [初出の実例]「主人内証もつれし時爰はひとつはたらきてとおもふ手代はなくて」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)六)
  5. 言語・動作などが、正常さを失って思うようにならなくなる。
    1. [初出の実例]「アシガ タユム、または、motçururu(モツルル)」(出典日葡辞書(1603‐04))
    2. 「私は四十度の熱が続き、二日目に足が立たなくなり、三日目に舌がもつれた」(出典:俘虜記(1948)〈大岡昇平〉)

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