絡繰的(読み)からくりまと

精選版 日本国語大辞典 「絡繰的」の意味・読み・例文・類語

からくり‐まと【絡繰的】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 弓矢の遊びで、矢を的に当てると、的がひっくり返って、いろいろの人形が現われるようにした装置祭礼の時などに、香具師(やし)などが設けた。からくり吹矢。吹矢の的。
    1. 絡繰的<b>①</b>〈伊勢参宮名所図会〉
      絡繰的伊勢参宮名所図会
    2. [初出の実例]「又大弓・半弓・吹矢・楊弓・或操的(カラクリマト)・酩酊的(めったまと)等、設射場遊人之」(出典:日次紀事(1685)正月)
  3. 転じて、めまぐるしく変わるもの、がらりと変化する物事のたとえ。
    1. [初出の実例]「夢かうつつか身のうへの、ほまれはつかにからくり的(マト)おやまが鬼にうらがへり、鬼が仏に南無阿彌陀仏」(出典:歌謡・松の落葉(1710)二・一二・四条河原涼八景)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の絡繰的の言及

【吹矢】より

弓矢【小野沢 正喜】
[遊戯具]
 日本では,元来小鳥などをとるための実用具であった吹矢が,元禄年間(1688‐1704)ころからさらに改良されて遊戯具となった。竹,木,紙ばりなどの筒に紙の羽根をつけた矢を入れ,息をこめて吹き,吹き当てると,的に仕掛けてある人形が降りてくるからくり的の遊びなどが流行し,賭博(とばく)にも用いられた。江戸中期以後には,楊弓場と同じく民衆の娯楽となり,盛り場に吹矢場が現れ,吹き当てると,上下からさまざまの細工物が出るしかけになっていて,明治初年まで流行した。…

※「絡繰的」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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