統辞論(読み)トウジロン(その他表記)syntax

翻訳|syntax

関連語 ごろん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「統辞論」の意味・わかりやすい解説

統辞論
とうじろん
syntax

単語結合してできる句,節,文の構造や機能を研究する文法の一部門。構文論統語論シンタックスなどの名称もある。伝統的に,文法は形態論と統辞論に2分され,形態論は語形替変を扱い,単語の結合を統辞論が扱うとされるが,形態論で曲用や活用の体系をまとめるためには,それぞれの形態が文中で果す機能を知ることが必要となるし,単語でも合成語には統辞的関係が認められるので,形態論と統辞論とは互いに密接な関係にある。文の統辞論では,構成要素間の意味的関係がどのように表わされるかが中心問題となる。単語の自律性が強く語形替変でそれらの関係を表わす言語もあれば,諸関係を示す機能語 (前置詞,後置詞など) を発達させている言語もあり,また語順の役割が大きい言語もある。このような統辞法の手段を基準にして言語を類型に分けようという試みは早くからなされてきた。また,たとえば「主語述語」というような論理的関係が文のうえにはっきりと現れる言語もあればそうでない言語もあり,各要素の役割というものを先験的に決めることはできない。なお,文における要素の機能を研究する前提として,まず,文から単位を取出す作業実際の言語研究に重要な問題となる。

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世界大百科事典(旧版)内の統辞論の言及

【シンタクス】より

…あるいはさらに広く,文のもつ文法的諸性質に関する研究といってもよい。〈研究〉の意の場合には,訳して構文論,統語論,統辞論ともいう。形態論とともに文法の一部門をなす。…

※「統辞論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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