綱掘り(読み)つなぼり(その他表記)cable tool drilling

百科事典マイペディア 「綱掘り」の意味・わかりやすい解説

綱掘り【つなぼり】

先端ビットをつけたワイヤロープを上下させ衝撃を与えて掘るボーリング試錐採油井戸掘りなどに利用。上下動内燃機関電動機,または人力による。米国で発達したもので,石油採取目的として世界最初に成功した米国のドレーク井(1859年)にもこの方式が用いられた。現在ではロータリー式掘削装置に代わられている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「綱掘り」の意味・わかりやすい解説

綱掘り
つなぼり
cable tool drilling

鋼製のビット (1.2~2.1m) を鋼索でつるし,クランク運動でビットを上下させ,坑底にビットが落下するときの衝撃力を利用して井戸を掘る方法。石油掘削はほとんどロータリー掘りに変ったが,アメリカ合衆国での最初の油井は,1859年に E.ドレークによって綱掘りにより掘削された。この方法は,古くは中国で塩水井戸の掘削に使われ,日本では上総掘りとして知られているものである。水井戸掘りのような浅い鑿井工事では,この方法が採用される。

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世界大百科事典(旧版)内の綱掘りの言及

【ボーリング】より

…中国ではワイヤロープの代りに竹が用いられ,13世紀には600m以深まで掘られていた。ワイヤロープを用いる方式は綱掘りcable‐tool drillingと呼ばれるが,世界で初めて石油採取を目的として成功したドレーク井(アメリカ,1859)も綱掘りで掘られた。綱掘技術はアメリカで発達し,1925年には2365mの石油井が掘られたが,現在ではロータリー式掘削に取って代わられている。…

※「綱掘り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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