ワイヤロープ(読み)わいやろーぷ(英語表記)wire rope

翻訳|wire rope

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワイヤロープ」の意味・わかりやすい解説

ワイヤロープ
wire rope

鋼索ともいう。細い硬鋼線材 (素線。裸とメッキ処理とある) を撚 (よ) り合せたストランド (子綱) を,天然繊維や合成繊維製の心綱のまわりに撚ってグリースを塗布したロープ。素線の数,ストランド数,その他によって数十種類のものがある。ロープの撚り方には,ロープとストランドの撚り方向が反対の普通撚りと,同方向のラング撚りがある。後者は摩耗損傷が少く,柔軟性に富むが,撚りが戻りやすい。また,ストランドの撚りの方向によって,Z撚りとS撚りに分けられるが,原則的には右撚りのZ撚りである。ロープの防食目的には黒グリース (アスファルト系) ,減摩目的には赤グリース (石油系) を用いる。建設用,船舶用,鉱業用機械や,エレベータ,その他のロープに広く使用され,ロープの種別ごとに切断荷重,自重,その他が定められている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワイヤロープ」の意味・わかりやすい解説

ワイヤロープ
わいやろーぷ
wire rope

鋼索ともいう。船舶、各種機械、吊橋(つりばし)、建設作業、運搬および荷役作業など多方面にわたって使用される。普通、硬鋼線材を原料として伸延した直径1~3ミリメートル程度の素線を撚(よ)り合わせてつくる。もっとも一般的なワイヤロープの構成は、素線を撚ってつくるストランドstrand(子綱ともいう)をさらに心綱の周りに一層ないし数層撚り合わせるもので、ストランデッドロープ(複撚り索)とよばれる。このほか、素線を一段または多段に同心円状に撚り合わせたスパイラルロープ(片撚り索)、ストランデッドロープをさらに撚り合わせたケーブルレイドロープ(複々撚り索)、ストランデッドロープをベルト状に編んだフラットロープ(扁平索)などがある。

河野 彰・清水 仁・鴫谷 孝]


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