デジタル大辞泉 「総花」の意味・読み・例文・類語 そう‐ばな【総花】 1 料亭・遊女屋などで客が使用人全部に出す祝儀。2 関係者全部にまんべんなく恩恵を与えること。「総花的で指針を欠く予算」「総花式」 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「総花」の意味・読み・例文・類語 そう‐ばな【総花】 〘 名詞 〙① 料亭、遊女屋などで、客が使用人など全員に出す祝儀。[初出の実例]「そう花に舟の者までかしこまる」(出典:雑俳・口よせ草(1736))「おらが花は総花にしても三十六文ですむ」(出典:滑稽本・浮世床(1813‐23)初)② すべての関係者をまんべんなく立ててやること。皆に恩恵を与えること。→総花式。〔現代大辞典(1922)〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「総花」の意味・わかりやすい解説 総花そうばな 遊所で、その家の総員に花(祝儀のこと)をやること。客および相手の遊女にとっては、見栄(みえ)ないし示威行為であるが、一種の慣習儀礼として、総花を出す時機や金額は各遊所で決まっていた。総花を受けた側では店内に客の名を掲示したり、客の部屋へ挨拶(あいさつ)に出て手締めなどで返礼した。総花が一括で渡された場合に、茶屋、若い者、遣手(やりて)らが分ける配分率も遊所ごとに定められていた。なお、江戸・新吉原では、馴染金(なじみきん)を総花と称することがあった。[原島陽一] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例