繋辞(読み)ケイジ

デジタル大辞泉 「繋辞」の意味・読み・例文・類語

けい‐じ【×繋辞】

copula論理学で、命題主辞賓辞とをつなぎ、両者関係を言い表す言語的表現。「鯨は哺乳類である」の「である」の類。連語連辞

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精選版 日本国語大辞典 「繋辞」の意味・読み・例文・類語

けい‐じ【繋辞】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 中国、古の聖人(文王・周公)が、占いの結果あらわれた卦(け)(こう)を観て、その吉凶を明らかにするために言葉を連ねたこと。また、その言葉。
      1. [初出の実例]「婚媾せん者をと思や。此を察して周公繋辞するなり」(出典:両足院本周易抄(1477)一)
      2. [その他の文献]〔易経‐繋辞上〕
    2. ( [ラテン語] copula の訳語 ) 論理学、言語学の用語。命題の主辞と賓辞とを連結して否定または肯定を表わす語。英語の be 動詞や、「吾輩は猫である」の「である」の類。連辞。コピュラ
      1. [初出の実例]「繋辞は主辞と賓辞を連結する作用を為すもので」(出典:論理学(1916)〈速水滉〉一)
  2. [ 2 ]けいじでん(繋辞伝)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「繋辞」の意味・わかりやすい解説

繋辞
けいじ
copula

コプラ,コピュラともいう。論理学で,主語 (主辞) と述語 (賓辞) とを連結する役割をになう語をさし,のちにこれが文法用語としても用いられるようになった。英語を例にとると,beが代表的なもので,beと同じ統辞的機能をもつ become,get,remain,seem,turnなど,いわゆる不完全自動詞がすべて含まれる。日本語では意味のうえから「コレハ本ダ」などの「~ハ~ダ」が対応するということになろうが,このように言語ごとに対応する表現法の文法的性質が異なるので,文法論的には有効な概念といえない。

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