(読み)トウ

デジタル大辞泉 「纛」の意味・読み・例文・類語

とう〔タウ〕【×纛】

竿さお先端につける、犛牛やく・馬の尾の黒毛を束ねた飾り。竜像などのはたをかけ、即位式大嘗祭だいじょうさいなどに用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「纛」の意味・読み・例文・類語

とうタウ【纛】

  1. 〘 名詞 〙 旗棹(はたざお)の上端につける犛牛(やく)の毛をたばねて垂れた威儀の飾り。これに旗をつけて纛の旗という。
    1. 纛〈和漢三才図会〉
      纛〈和漢三才図会〉
    2. [初出の実例]「纛(タウ)の旗を建て幔(まん)の坐を布(し)いて、伶倫楽を奏し」(出典太平記(14C後)二五)

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普及版 字通 「纛」の読み・字形・画数・意味


24画

[字音] トウタウ
[字訓] はたぼこ・おおはた

[字形] 形声
声符は毒(どく)。(とう)と声義同じ。纛は旄牛(ぼうぎゆう)の尾や雉(きじ)の尾を飾った旗。〔周礼、地官、郷師〕に柩車にこれを植(た)てることがみえ、羽(うほどう)という。秦・漢以後、天子の車馬に用い、行幸のことを大纛という。

[訓義]
1. はたぼこ。
2. おおはた。
3. 舞人のもつ羽。字はまたに作る。

[古辞書の訓]
名義抄〕纛 カミガキ・オニカシラ 〔字鏡集〕纛 ハタホコ・カミガキ・ハネ・カクス・ミチビク・ウチハ・ネヤス・ハタ語彙字条参照。

[熟語]
纛旗・纛
[下接語]
纛・旗纛・戟纛・建纛・鼓纛左纛・祭纛・執纛・竪纛・神纛・旌纛・総纛・大纛・風纛・秉纛・右纛・鸞纛・六纛・狼纛

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【旗】より

…将軍の居城を牙城というが,そこには牙旗が翻っていたことからこの語が熟したのである。旄牛の尾などを飾った旗は纛(とう)といわれ,天子の乗輿の左にたてられる旗を左纛といった。軍中の大旗をまた纛といい,古くは天子は六纛をたてた。…

※「纛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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