美唄原野(読み)びばいげんや

日本歴史地名大系 「美唄原野」の解説

美唄原野
びばいげんや

石狩平野のほぼ中央部、石狩川左岸を占めた低湿泥炭地。範囲は確定的ではないが、「撰定第一報文」に記載される「チヤシナイ」「トヰノタツプ」「上ビバイ」「下ビバイ」が中心で、現在の美唄市のほか、一部は奈井江ないえ町南部や岩見沢市・きた村に及ぶ。明治一九年(一八八六)から翌二〇年にかけ北海道庁によって土地測量が行われ、同二四年に殖民地として公表された(同報文)。同報文によると、「チヤシナイ」原野はビバイの連峰に西面し、「チヤシナイ」川が西流する。北は石狩川に沿い「ウラウシナイ」と対し、西は「ナイヱ」川が境で、南は広大な泥炭地が続き、「ウリヽントウ」の南端を境とする。平坦だが湿地・泥炭地が多く、河畔にわずかに農業適地があるにすぎないという。面積は樹林地二〇九万二千坪・泥炭地九三万坪。一部が奈井江町にかかる。なお「丁巳日誌」(再石狩日誌)に「チヤシナイ」がみえ、「此処にむかし夷人の貴人有し処にて、チヤシは城の事也。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報