泥炭地(読み)でいたんち(英語表記)peat bog; moor; moorland

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

泥炭地
でいたんち
peat bog; moor; moorland

泥炭の発達している土地。腐敗分解が不完全な植物の遺体と泥土とから成る軟弱な湿地の部分で,寒冷地に発達している。土地が低温,過湿のため植物の遺体の分解が阻害され,腐植化して泥炭ができる。泥炭を構成する原植物の種類や生成の条件から泥炭地は低位泥炭地,中間泥炭地,高位泥炭地の3種に分類される。低位泥炭地は地下水位の高い条件下で生成し,構成植物がおもにアシ,スゲなどである。中間泥炭地は低位泥炭地がある程度発達し,樹木の落葉や落枝から成る。高位泥炭地はおもにミズゴケの遺体から成る。

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百科事典マイペディアの解説

泥炭地【でいたんち】

泥炭の堆積している土地。亜寒帯と温帯の一部に多い。浅い湖沼,河川の岸などでアシ,スゲなどが茂るところには低位泥炭地ができる。これが水面上に盛り上がると樹木が侵入して森林となり中間泥炭地となる。森林化すると土地は湿潤となりミズゴケが生育し厚い層となって堆積して高位泥炭地が形成される。高位泥炭地は泥炭の成長により時計皿を伏せたような特有の微地形を作り,その間に池沼を形成し,その景観は高層湿原と呼ばれる。発達した泥炭地では,周辺から中心部にいくにつれ,低位→中間→高位の順に同心円状に配列する。北海道には今なお広大な各種の泥炭地が分布,また,尾瀬ヶ原はミズゴケ泥炭地として有名。泥炭の堆積速度は日本で0.5〜1.5mm/年,熱帯で3.4mm/年という値が得られている。

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大辞林 第三版の解説

でいたんち【泥炭地】

泥炭が堆積している湿地。尾瀬ヶ原やサロベツ原野などが代表例。 → 湿原

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世界大百科事典内の泥炭地の言及

【石狩平野】より

…この地盤運動は,両岸に発達する段丘面がいずれも平地に向かって傾斜し,より古く形成された上位のものほど傾斜量が大きいことからも説明される。 石狩低地と北部の平野のはんらん原には排水不良の低湿地が広い面積を占め,低温のため有機質分解が悪く,篠津原野,幌向(ほろむい)原野,長都(おさつ)原野,美唄原野,秩父別(ちつぷべつ)原野など合計5万haに及ぶ泥炭地がある。平野の形成過程に対応して海岸砂丘背後の泥炭地が最も若く,ヨシ,スゲなどの厚さ1m未満の泥炭層からなり,低地中央部の篠津原野では貧栄養性泥炭地を主とし,富栄養性泥炭地が周囲を帯状に取りまき,泥炭層の厚さは5~6m,ときに7mに達する。…

【泥炭】より

…水で飽和されて酸素不足となった条件下では地中動物や微生物の活動が抑制されるため,植物遺体の分解が完全には進まず,まだ植物の組織が肉眼で識別できる程度に腐朽した黄褐色ないし暗褐色の植物遺体が集積する。この過程を泥炭集積作用peat accumulationといい,一般に排水後なお20cm以上の泥炭層を有する土地を泥炭地peat landという。泥炭の集積は沼沢地や湖沼底に泥が堆積し,抽水植物が十分生育できる水深になるまで埋積化が進行したときに始まる。…

※「泥炭地」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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