耆婆(読み)ぎば

  • きば

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

インド,釈尊と同時代の医師。サンスクリット語 Jīvakaの音写。美貌の遊女サーラバティーの私生子として生まれ,一説には,誕生後捨てられ,ある王子が拾って養育したといわれる。名医として有名で,釈尊の教えに従った。彼に関しては,多くの伝説が残され,釈尊の病を治療したこと,また,釈尊の教えに従えば彼の治療が受けられると考える一般人が,治療を受けたいばかりに仏教に入門するのを心配して釈尊にその対策を案したこと,などが伝えられている。その原名を漢訳して活童子,壽命童子,能活などとも呼ばれ,中国の名医,扁鵲 (へんじゃく) と並び称される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

釈迦時代の伝説的名医。サンスクリットジーバカ訳。ギリシア植民地に近いタクシャシラー(タクシラ)で医学を学び,王舎城に帰ってビンビサーラ,アジャータシャトル両王の侍医となる。深く釈迦に帰依し,弟子の病を救ったといわれる。中国の名医扁鵲(へんじゃく)と並称される。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

[1] (Jīvaka の音訳。活、命、能活、寿命などと訳す) 仏弟子で古代インドの名医。頻婆娑羅王の王子で、阿闍世王の兄。父を殺した阿闍世王を導いて、仏に帰依(きえ)させたといわれる。中国の扁鵲(へんじゃく)と並称される。
※百座法談(1110)六月五日「舎利仏『ここに只今きは大臣の来て申しつるは、蓮根三両もて療治せよとなむ申しつる』といひければ」 〔北本涅槃経‐一九〕
[2] 〘名〙 「ぎばちょう(耆婆鳥)」の略。
※説経節・説経さんせう太夫(佐渡七太夫正本)(1656)上「あれはときわの国よりもきたる鳥なれば、つばめ共申也、又はぎば共申也」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内の耆婆の言及

【インド医学】より

…医学が知の体系へとまとめられ専門的学問になるのはちょうどインドにおいて自由思想が生まれ,ウパニシャッドの哲人や仏陀やマハービーラが活躍した時代である。伝説的な名医ジーバカJīvaka(耆婆(ぎば))は仏陀の侍医であったといわれるし,仏陀の教え自体にもしばしば医療に関する比喩が用いられている。後の古典医学書に登場する伝説的な医者たちの多くも,歴史上の人物とすればこの時期に属するであろう。…

※「耆婆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

ノーブレスオブリージュ

《「ノブレスオブリージュ」とも》身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務があるという、欧米社会における基本的な道徳観。もとはフランスのことわざで「貴族たるもの、身分にふさわしい振る舞...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android