聖応寺(読み)しようおうじ

日本歴史地名大系 「聖応寺」の解説

聖応寺
しようおうじ

[現在地名]境川村大黒坂

きつね川の上流右岸山腹に位置し、同川に沿って右岸に延びる大黒坂おおぐろさかの集落を見下ろす。山号は長国山、臨済宗向嶽寺派。本尊は十一面観音。開山向嶽こうがく(現塩山市)抜隊得勝の法嗣無住道雲で、康暦元年(一三七九)の開創という(甲斐国志・寺記)。応永二年(一三九五)一一月の黒坂信光寄進状(聖応寺文書)に聖応庵とみえ、無住に帰依した信光が四至を定めた寺領を寄進している。同寄進状には法華寺ほつけじ真福寺しんふくじなど現在の大黒坂の小字名に通ずる地名が散見される。黒坂信光については聖応寺殿蘭山秀公大居士の法名を記した牌子が伝わるが、没年は不詳。


聖応寺
しようおうじ

[現在地名]豊明市沓掛

平野山と号し、曹洞宗。本尊釈迦如来像。裏手には通称会下えげ山と称する山がある。永禄一一年(一五六八)別喜右近(簗田出羽守と伝える)創建で、久護山慶昌けいしよう寺と称し、臨済派に属した。五〇年後、寺も破壊に及び、寛永の初め簗田氏の家中平野甚左衛門が再興し、曹洞宗の大光たいこう(現名古屋市)の護奕が再興開山として寺号を平野山聖応寺に改めた(寺社書上帳)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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