日本歴史地名大系 「豊明市」の解説 豊明市とよあけし 面積:二三・三八平方キロ県域を尾張と三河に二分する境川中流の西部に位置し、尾張に属する。市の北西部は丘陵地で洪積層、東南部は平地で、とくに境川の流出する土砂による沖積層である。市内最高の二村(ふたむら)山(七二メートル)の頂上からは東に木曾山脈に続く三河の山々北から西にかけて笠置(かさぎ)山地・伊吹(いぶき)山地、北方に御嶽(おんたけ)が遠望される。地名の由来は明治二二年(一八八九)当時の酒造家の屋号に豊倉(とよくら)があり、村名に一字を入れることを希望し、元号の明治からも一字とったとも、宮中の年中行事豊明(とよのあかり)節会にちなんだとも伝える。〔原始・古代〕古い農耕に関係する車田(くるまだ)・焼山(やけやま)などの地名が沓掛(くつかけ)町に残る。若王子池(にやくおうじいけ)遺跡の遺物には黒曜石製刃器・石鏃・土師器などがあり、市内各所から石器類が発見され、縄文期頃から人が住んでいたと思われる。「和名抄」の尾張国山田(やまだ)郡一〇郷のうち、両村(ふたむら)・駅家(うまや)の二郷が、現市域の丘陵地から山裾辺りにあったと思われる。「延喜式」の東海道の道筋は、現市域を北西に走り、同書の尾張国駅馬にある「両村十疋」の記載から、両村駅が中路に属していたことが知れ、「延喜式」神名帳記載の山田郡一九座のうち「川嶋(カハシマノ)神社」は、現沓掛町宿の鹿嶋(しゆくのかしま)社であると言い伝えられている。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「豊明市」の意味・わかりやすい解説 豊明〔市〕とよあけ 愛知県中部にある市。 1972年市制。尾張丘陵上に位置し,東海道沿いの農村であったが,名古屋,刈谷市に隣接し,豊田市に近いこともあって 65年以降急激に都市化した。金属,機械,紡織,食品などの工業が行われるが,最近は住宅団地も進出。愛知用水の開通によって近郊農業も発達し,ハクサイなどを産する。一部で肉牛飼育も行われ,上質のものは三河牛の名で知られる。西部には中京競馬場がある。 1996年,阿野町に愛知豊明花卉卸売市場が開設された。阿野一里塚,桶狭間古戦場伝説地 (史跡) などがある。面積 23.22km2(境界未定)。人口 6万9295(2020)。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by