改訂新版 世界大百科事典 「職場規律」の意味・わかりやすい解説
職場規律 (しょくばきりつ)
職場において労働者が従うべき規律の総称。通常は就業規則によって規定されている。しかし,成文化されているものが職場規律のすべてではなく,慣行などによって職場規律が確立していることもある。〈上司の命令に対する服務義務〉〈業務上の秘密保持義務〉などがその具体例である。職場規律違反に対しては,減給,昇給停止,出勤停止,降格,懲戒解雇等の制裁が科せられる。このうち減給については労働基準法91条による制限があり,また懲戒解雇が即時解雇として行われる場合は労働基準監督署長の認定を要する(労基法20条3項)。さらに,使用者の恣意(しい)的解雇から労働者の地位を保護するため,解雇事由に関する基準は必ず就業規則に規定しなくてはならないと定められている(89条)。
執筆者:佐藤 博樹
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報