肛門管および下部直腸周囲の炎症の総称で、肛囲炎ともいう。直腸下端部と肛門皮膚の境界部には肛門腺(せん)が開口する肛門小窩(しょうか)があり、ここから糞便(ふんべん)中にある化膿(かのう)菌(主として大腸菌)が侵入して肛門腺の化膿を引き起こすことによるとされている。炎症が肛門小窩にとどまらず、周囲に波及したものが肛門周囲炎である。肺結核が多かったころは起炎菌として結核菌が注目されたが、現在ではほとんど結核性炎症はみられない。炎症の程度が軽ければ肛門部の違和感か、軽い疼痛(とうつう)程度で数日中に治癒するが、炎症が強くて広範に及ぶと、肛門周囲膿瘍(のうよう)へと進展する。膿瘍化すれば発熱と灼熱(しゃくねつ)痛を伴い、切開により排膿しなければならない。放置すれば膿瘍は自潰(じかい)して痔瘻(じろう)に移行する。
[竹馬 浩]
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