六訂版 家庭医学大全科 「肺性脳症」の解説
肺性脳症
はいせいのうしょう
Pulmonary encephalopathy
(脳・神経・筋の病気)
どんな病気か
肺の機能不全により中枢神経症状を起こす状態をいいます。肺は呼吸をする臓器なので、呼吸ができなくなると、肺の動脈の二酸化炭素(CO2)が上昇し、酸素が低下します。したがって、肺性脳症には、二酸化炭素上昇による症状(これをCO2ナルコーシスという)と、酸素低下による
原因は何か
動脈血のCO2はすみやかに細胞膜を通過するので脳細胞内の
原因としては、慢性肺疾患、とくに
症状の現れ方
脳神経の症状が現れる前に、血圧の変動、心拍増加、発汗、皮膚
検査と診断
基礎となる肺疾患や呼吸抑制を引き起こす神経疾患など、呼吸がしにくくなる原因と臨床症状がみられたら本症が疑われます。すぐに動脈血ガス分析を行って診断します。低酸素脳症も、原因の確認と動脈血ガス分析の結果および現病歴で診断されます。
病気に気づいたらどうする
原因にもよりますが、誘因の除去、気道の確保などの処置をするとともに、呼吸不全には人工呼吸器の使用が必須です。酸素吸入、血液の㏗補正など早急な対応が必要なので、医療機関を受診します。
栗山 勝
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報