(読み)いさらい

精選版 日本国語大辞典 「臀」の意味・読み・例文・類語

い‐さらいゐさらひ【臀】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「いざらい」とも ) すわる時に、座席と接触する身体部分しり。いしき。いさらえ。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「是(これ)(かれ)(ヰサラヒ)の肉を啖(くひ)とられて、鮮血(ちしほ)さと流れ出」(出典読本椿説弓張月(1807‐11)続)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「臀」の読み・字形・画数・意味


17画

(異体字)
8画

[字音] デントン
[字訓] しり

[説文解字]

[字形] 形声
声符は殿(でん)。殿は(しり)を撃つ意の字で、(とん)が臀の初文。臀はその繁文である。〔説文八上に「は髀(ひ)なり」とあり、臀など異文二を録する。〔国語、周語下〕に、晋の成公の母が「、其の臀に規(ゑが)くにを以てす」と夢みて、その子を黒臀と名づけた話がみえる。臀を撃つ字は殿、また臀にえがくというのは、何らかの民俗的な意味のある行為と思われる。

[訓義]
1. しり。
2. そこ、もののそこ。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕臀 尻不佐(しりぶさ) 〔和名抄〕臀 之利(しり)。俗に云ふ、井佐良比(ゐさらひ) 〔立〕臀 ヰサラヒ・シリタブラ・シリヰサラヒ・ナマグサシ・シリクスネ

[声系]
がその初文。〔説文〕に声の字として殿、また殿声の字として澱など三字を収める。

[語系]
(臀)dun、敦tunは声義近く、ともにゆたかにもりあがったもの、またそれをたたく音を形容する語である。

[熟語]
臀杖臀尖臀疣臀癰


8画

(異体字)臀
17画

[字音] トン・デン
[字訓] しり

[説文解字]

[字形] 会意
尸(し)+兀(こつ)+几(き)。〔説文〕八上に「は髀なり。尸下に兀あり。几に(きょ)(居)するに從ふ」とし、異文二を録する。几の上部は人が几に踞する側身形で、尸の下部は臀肉の形を示したものであるから、全体が象形的な字である。

[訓義]
1. しり、しり肉。
2. かすか。

[古辞書の訓]
字鏡集 シリタブラ

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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