電子制御と自動運転装置のみを使用して、人間の手を介さずに出発地から目的地まで走行できる自動車。車両側のセンサー、レーダー、GPS(全地球測位システム)、カメラからの情報だけで周囲の交通状況を把握して車両の走行を制御し、道路側にビーコン(無線標識)や発信器などの特別な装置を必要としない。2014年5月時点で、まだ世界で自動運転車が正式に公道を走行することが認められた例はないが、アメリカやヨーロッパではすでに行政の特別な承認のもと、公道を走行する実験が重ねられている。日本でも2013年(平成25)11月、トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業が参加して公道での本格的な自動走行実証実験が行われた。
アメリカではゼネラル・モーターズ(GM)やグーグル社、ヨーロッパではBMW、フォルクスワーゲン、ボルボ、ダイムラー、ロバート・ボッシュRobert Bosch GmbHなどが大学などの研究機関と協力しながら開発を進めている。なかでもグーグル社の開発する自動走行車は、2014年4月時点で約70万マイル(約112万キロメートル)を走行したと発表された。
なお、公道以外では、すでに採掘、建設現場でGPSなどを活用した自動走行車が実用化されている。また、各自動車メーカーが衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)、前車追従クルーズコントロール、車線逸脱防止システム、駐車アシスト機能など、自動走行にも使用される技術を使用した装備をすでに実用化しており、危険・事故防止の観点からも自動走行車への期待は大きい。しかし、まだ雨などの悪天候の場合に正しく走行できないケースも多く、事故が発生した場合の過失責任をだれが負うかなど、法整備もこれからの段階で、技術的な内容以外にも解決すべき課題は多い。
[編集部]
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