出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
広義には国の警察組織に対し自治体が維持する警察組織を意味するが、狭義には1947年公布の旧警察法(昭和22年法律196号)に基づき市および人口5000人以上の町村がその区域内において維持する警察で、国家地方警察(人口5000人未満の町村)に対するものをいう。旧警察法上の自治体警察は、警察の能率的運営の阻害、治安維持に対する国の責任の不明確性、市町村(自治体)の財政に対する重圧などの理由により廃止され、新警察法(昭和29年法律162号)により本質的に国家的性格と地方的性格を併有する警察事務を合理的、能率的に処理できるよう、国家地方警察と自治体警察を廃して都道府県警察に一元化された。
[木岡保雅]
広義には国の警察組織に対して地方自治体の警察を意味するが,旧警察法(1947制定)にもとづいて設置された,市および人口5000人以上の町村の警察をさすことが多い。総定員は9万5000人で全国1605単位(東京都特別区の警視庁を含む)で設置され,それ以外の地域は国家地方警察が分担。市町村公安委員会の管理下におかれたが,市町村の財政負担を理由として1951年(昭和26)6月以後は住民投票で廃止できたためその数は減少。54年の新警察法の施行とともに全廃され,都道府県警察に一元化された。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…つまり,従来警察機構の任務とされていた諸事務のうち若干のものは労働省,建設省,厚生省,消防庁のほか,地方公共団体の長の権限とされ,警察機構の所掌事務は大幅に縮小された。 警察機構自体についても,1947年に公布された旧警察法は,従来の中央集権的国家警察体制を根本的に改革し,国家地方警察(略称,国警)と,市および人口5000人以上の市街的町村に設置する自治体警察(略称,自警)の二本建てとし,その管理も民間人からなる公安委員会にゆだね,警察運営の民主化を図った。 しかし,自治体警察の多くの面における非効率や,国の治安維持責任の不明確さを改める等の理由によって,戦後改革の一環として生まれた旧警察法にかわって現行警察法が54年に制定されたのである。…
※「自治体警察」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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