地方自治法の規定では自治体の有権者は、有権者数の50分の1の署名を集めれば、住民投票条例制定を首長に直接請求できる。年齢や居住地といった投票できる人の条件や投票の方式、成立要件などは自由に決められる。一定数の署名があれば投票の実施を請求できる「常設型」と、案件ごとに議会が条例を制定する「個別型」がある。2011年3月の東京電力福島第1原発事故以降、原発の稼働の賛否を問う条例案が各地の議会で提出されたが、否決が相次いでいる。
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地方自治体ないし一定の地域住民が,特定の意思決定や政策の選択のために行う直接投票をいう。日本の場合,法制度上に根拠を持つものには,憲法95条,地方自治法76条,80条,82条による住民投票がある。憲法95条は,一つの地方自治体にのみ適用される特別法の制定に当たっては,当該地方自治体の住民投票において過半数の同意を得なくては,国会はこれを制定できないと定めている。後者の地方自治法の規定は,それぞれ議会の解散,議員の解職,長の解職に関する直接請求が成立した際に(有権者の3分の1以上の連署),住民の審判を仰ぐための投票である。こうした憲法,地方自治法の保障する住民投票とは別に,近年,地域社会における重要な政策争点をめぐる住民の意思確認のために,自治体が独自に条例を定めて実施する住民投票が増加している。主要なものとしては,新潟県巻町の原子力発電所立地の是非を問う投票(1996年8月),沖縄県における米軍基地の存否を問う投票(1996年9月),岐阜県御嵩町の産業廃棄物処理場の是非を問う投票(1997年7月)などがある。ただし,これらの投票は,現行法制度上の立地手続に直接の効力を持つものではない。
執筆者:新藤 宗幸
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(北山俊哉 関西学院大学教授 / 笠京子 明治大学大学院教授 / 2007年)
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…直接民主制の手続の一環として法制度上に定められたレファレンダム,イニシアティブなどをいうが,ときには,超法規的な政治手続としておこなわれるプレビシットの人民投票まで含めて用いられることもある。現在日本の国民投票の制度としては,憲法改正のための国民投票(憲法96条1項)と地方自治特別法制定のための住民投票(憲法95条)の二つしかない。【西尾 勝】。…
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