自然に帰れ(読み)しぜんにかえれ(その他表記)retour à la nature

日本大百科全書(ニッポニカ) 「自然に帰れ」の意味・わかりやすい解説

自然に帰れ
しぜんにかえれ
retour à la nature

フランス啓蒙(けいもう)期の天才的哲学者ルソーの根本思想を表現する標語自然は人間を善良、自由、幸福なものとしてつくったが、社会が人間を堕落させ、奴隷とし、悲惨にした。それゆえ自然に帰らなければならない。人間の内的自然、根源的無垢(むく)を回復しなければならない、というのである。これはいうまでもなく、原始的未開状態への逆行を意味するのでもないし、またいっさいの悪を社会の罪にして、人間の責任を不問にするのでもない。ルソーはあくまで社会を人為所産とみて、社会悪の責任を人間に問うのである。「たえず自然に不平をいっている非常識な人々よ、君たちのあらゆる不幸は君たち自身から生じていることを知るがよい」。これが第二論文『人間不平等起源論』を貫く内心の叫びであると、ルソーは『告白』第8巻で述懐している。

[坂井昭宏]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

4月1日の午前中に、罪のないうそをついて人をかついでも許されるという風習。また、4月1日のこと。あるいは、かつがれた人のこと。四月ばか。万愚節。《季 春》[補説]西洋もしくはインドに始まる風習で、日本...

エープリルフールの用語解説を読む