惑星が天球上を星々の間をぬって,東から西(赤経が減少する向き)に運行すること。西から東に運行する順行に対する用語。天球上の太陽と月の動きはつねに順行であるが,後述のように惑星は順行も逆行も行う。太陽系を黄道面の北から見ると,地球を含めて惑星はすべて太陽のまわりを反時計まわりに公転しており,これを西から東の向きの公転,あるいは順行軌道という。このとき,地球から見て太陽は天球上を西から東に運行(順行)するからである。すい星の中には,太陽を東から西の向きに公転するものもあって逆行軌道をもつといわれる。この場合,すい星の軌道傾斜は90度より大きい。ハリーすい星の軌道も逆行である。水星も金星も順行軌道をもつが,これら内惑星が太陽と地球の間で地球を追い越す前後で,地球から見た内惑星の天球上の動きは逆行となる。東方最大離角の後から内合を経て西方最大離角の前までの期間である。外惑星の場合は,太陽と外惑星の間を地球が追い越す前後で起こり,惑星にもよるが衝を中央にした約2~3ヵ月が逆行の期間となる。
執筆者:堀 源一郎
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惑星などの太陽系の天体が、天球上で東から西へ動いていること。惑星は通常、天球上を西から東へ運行しており、これを順行(じゅんこう)というが、外惑星では衝(しょう)、内惑星では内合となって地球に接近するころ、見かけ上は通常の運行と反対に、つまり逆行して見える。順行から逆行に、また逆行から順行に移る際、一時停止するように見えるときを留(りゅう)という。
[村山定男]
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