自由世界(読み)ジユウセカイ(英語表記)free world

翻訳|free world

デジタル大辞泉 「自由世界」の意味・読み・例文・類語

じゆう‐せかい〔ジイウ‐〕【自由世界】

第二次大戦後、資本主義諸国が、社会主義諸国に対して自ら陣営に所属する諸国を総括した名称自由主義世界。自由主義陣営。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「自由世界」の意味・読み・例文・類語

じゆう‐せかいジイウ‥【自由世界】

  1. 〘 名詞 〙 第二次世界大戦後、資本主義諸国が、共産主義に対してみずからの陣営を総括した呼称。おもにアメリカを指導勢力として結合している西ヨーロッパの資本主義諸国をいう。
    1. [初出の実例]「自国の防衛力及び自由世界の防衛力の発展及び維持に寄与し」(出典:日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定(1954)八条)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自由世界」の意味・わかりやすい解説

自由世界
じゆうせかい
free world

もともとファシズムに対する民主主義的自由の保護という理念から出た言葉であるが,第2次世界大戦後はソ連東欧などの社会主義陣営に対し,アメリカを中心とする資本主義陣営を総称する言葉として用いられた。つまり社会主義諸国を一枚岩的な全体主義体制としてとらえ,対抗上トルーマン・ドクトリンマーシャル・プランを経て北大西洋条約機構 NATO,東南アジア条約機構 SEATOおよび多くの2国間軍事条約網が全世界に展開されるにいたったが,アメリカはこうした反共軍事条約網で結ばれた諸国を自由世界と総称した。しかし,反共のイデオロギーが優先したため,反動的独裁政権も自由世界に含まれるという矛盾が生じた。ソ連・東欧革命によって冷戦体制が崩壊したのちは,それまでのイデオロギー的性格が消え去ったことは否めない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android