臭化アンモニウム(読み)しゅうかアンモニウム(その他表記)ammonium bromide

精選版 日本国語大辞典 「臭化アンモニウム」の意味・読み・例文・類語

しゅうか‐アンモニウムシウクヮ‥【臭化アンモニウム】

  1. 〘 名詞 〙 ( アンモニウムは[英語] ammonium ) 化学式 NH4Br 辛い味の無色結晶加熱により昇華する。写真用臭化銀の製造原料、分析試薬、耐火用木材の不燃剤などに利用。臭素アンモニウム。

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改訂新版 世界大百科事典 「臭化アンモニウム」の意味・わかりやすい解説

臭化アンモニウム (しゅうかアンモニウム)
ammonium bromide

化学式NH4Br。無色立方晶系の結晶。高温では岩塩型構造。137.8℃で低温型の塩化セシウム型構造に転移し,さらに低温でゆがんだ塩化セシウム型構造に変わる。辛味がある。塩化アンモニウムNH4Clと同様に,加熱により解離,昇華する。比重2.43。屈折率1.7108。水100gへの溶解度69.7g(15℃),145.6g(100℃)。エチルアルコールエーテルアセトン液体アンモニアに可溶。水溶液は臭素と反応し,付加化合物NH4Br3(三臭化アンモニウム)をつくりやすい。臭化鉄(Ⅱ)FeBr2と臭化鉄(Ⅲ)FeBr3混合物アンモニア水を作用させるか,臭化水素酸HBrをアンモニアで中和した水溶液から晶出させてつくる。アンモニア水に臭素を滴下し,過剰のアンモニアを蒸発させても晶出する。

 8NH3+3Br2─→6NH4Br+N2

写真用臭化銀の製造原料,耐火木材用の不燃剤,医薬品(中枢神経抑制剤,鎮静剤),分析試薬などに用いられる。
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化学辞典 第2版 「臭化アンモニウム」の解説

臭化アンモニウム
シュウカアンモニウム
ammonium bromide

NH4Br(97.94).臭化水素酸をアンモニア水で中和するか,臭化鉄(Ⅱ)と臭化鉄(Ⅲ)の混合物に,アンモニアを作用させると得られる.無色の結晶で,熱すると235 ℃(真空中)で昇華する.水,メタノール,エタノール,エーテル,アセトンに易溶.水溶液中ではBr2と付加物NH4Br3をつくりやすい.空気中に放置すると徐々に黄色になる.写真用臭化銀の製造原料,分析試薬,医薬品,耐火木材用不燃剤,防炎,腐食防止剤などに用いられる.[CAS 12124-97-9]

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