花の露（読み）はなのつゆ

精選版 日本国語大辞典

はな【花】 の 露(つゆ)

[一]

① 花の上におく露。花に宿る露。特に、桜花におく露をさすこともある。《季・春》

※実方集（998頃）「常夏のはなのつゆにはむつれねどぬるともなくてぬれし袖かな」

② 薔薇の花を蒸留して取った液体。薔薇露。〔和訓栞後編（1887）〕

[二]

① 江戸時代、女性用の上等の鬢付(びんつけ)油の名前。

※評判記・色道大鏡（1678）二「鬂附は花の露」

② 化粧水の名。婦人がおしろいをつける前につけて艷を出すもの。

(イ) 江戸初期、江戸で売り出されたもの。〔随筆・我衣（1825）〕

(ロ) 江戸後期、上方で売り出されたもの。

※滑稽本・無飽三才図会（1850）一「花の露は本水にして形硝子の小さき壜(とくり)の如く、其清き事譬んに品なし」

出典　精選版 日本国語大辞典

［日本酒・本格焼酎・泡盛］銘柄コレクション

はなのつゆ【花の露】

福岡の日本酒。大吟醸酒、純米酒、本醸造酒、普通酒などがある。平成3、7、16年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。原料米は山田錦、レイホウなど。仕込み水は筑後川の伏流水。蔵元の「花の露」は延享2年(1745)創業。所在地は久留米市城島町城島。

出典　講談社