花鳥茶屋(読み)かちょうぢゃや

精選版 日本国語大辞典 「花鳥茶屋」の意味・読み・例文・類語

かちょう‐ぢゃや クヮテウ‥【花鳥茶屋】

〘名〙 寛政一七八九‐一八〇一)から文化一八〇四‐一八)頃にかけて、江戸浅草両国、上野山下などで繁盛した珍しい鳥獣の見世物小屋名鳥(めいちょう)茶屋孔雀(くじゃく)茶屋。花鳥屋。
※歌舞伎・船打込橋間白浪(鋳掛松)(1866)序幕「未(ひつじ)だの噺家(はなしか)だのと、花鳥茶屋(クヮテウヂャヤ)へでも行ったやうだ」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「花鳥茶屋」の意味・わかりやすい解説

花鳥茶屋
かちょうぢゃや

寛政(かんせい)年間(1789~1801)ごろの江戸、大坂にできた動植物園の元祖。それまで見せ物の対象だった珍獣珍鳥の類を、雨天にも見せる常設展示場として、湯茶も接待する茶屋にしたものである。初めは、飼育する動物が単一または少数で孔雀(くじゃく)茶屋などと称したが、種類を増やして花鳥茶屋となった。入場料は16文で、呼び込みの口上が見せ物時代の名残(なごり)であった。明治以後は各地に動物園が開設され、しだいに滅んだ。

[原島陽一]

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