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琵琶行 びわこうPi-pa-xing

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

琵琶行
びわこう
Pi-pa-xing

中国,中唐の長編叙事詩。白居易の作。元和 11 (816) 年成立。江州司馬に左遷された作者が,落ちぶれた長安名妓の弾く琵琶舟中に聞いて,わが身に引比べるという内容の 88句から成る七言古詩後世戯曲,小説や,また日本文学に大きな影響を与え,西欧にも早くから紹介されている。

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デジタル大辞泉の解説

びわこう〔ビハカウ〕【琵琶行】

中国、唐代の詩。白居易作。816年作。かつての長安の名妓が落魄(らくはく)して琵琶を奏でるのを、左遷されたわが身になぞらえて歌ったもの。「長恨歌」と並ぶ傑作。

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百科事典マイペディアの解説

琵琶行【びわこう】

中国の詩人白居易作の長編抒情詩。815年成立。白居易が江州の司馬(知事の下僚)に左遷された時期の作品。秋の月夜,琵琶の音に長安(都)の手ぶりが感じられ,弾手にたずねると,彼女はもと長安の妓女で,色香おとろえて江州の商人の妻となっている。

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世界大百科事典 第2版の解説

びわこう【琵琶行 Pí pa xíng】

中国,唐代の白居易の七言詩。88句616字から成る長編。815年(元和10),白居易は江州(江西省)の司馬(知事の下僚)に左遷され,失意のうちにあった。翌年秋,波止場に人を送って,琵琶を弾く零落した長安の妓女に出会い,哀れな身の上話に,みずからの流謫の悲しみを重ね合わせて作ったもの。《長恨歌(ちようごんか)》とともに物語風の構成をもち,13世紀元代の劇作家馬致遠によって《青衫泪(せいさんるい)》と題する歌劇にも仕立てられた。

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大辞林 第三版の解説

びわこう【琵琶行】

中国、中唐の詩人白居易の七言古詩。816年、四五歳の作。船上で琵琶を弾く女の語る哀れな身の上話に、左遷された自分の境遇を重ね合わせて作った長編。「長恨歌」と並ぶ代表作。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

琵琶行
びわこう

中国、唐代の詩人白居易(はくきょい)の長歌。816年の作。題の「行」の字はもともと「引」。「引」とは歌詩の一体。制作の当時、白氏はあらぬ罪を着せられ、中央から地の果てとも思われた潯陽(じんよう)に追放されていた。秋のある月の夜、かつて長安で琵琶の名手とうたわれ、いまうらぶれて江辺に漂泊する女性に巡り会う。その都の手ぶりにかき鳴らす曲調に心動かされ、沸き上がるファンタジーを「間関たる鶯語(おうご) 花底に滑らかに、幽咽(ゆうえつ)せる泉水 氷下に難(なや)む」などと歌う。曲調を言語に翻訳し文字に定着しようとする。やがて奏者の問わず語りの、運命のままに流される落魄(らくはく)の告白に転ずる。そしてその告白に照らし出された、詩人自らの敗残の身上への嘆きに結ばれる。かくて印象の強い前奏によって、女性の告白も詩人の左遷のことも、すべて「淒淒(せいせい)」たる曲調となって響き、ついに自らの「天涯淪落(りんらく)」の嘆きをせり上げる琵琶の調べそのものに似る。一編は劇的な叙事の間に鮮烈な叙情をひらめかせ、抑揚の強いリズムを広げ、揺るぎない形象に結晶している。まさしくかつて評されたように「千秋の絶調」である。ために当時から多くの人々に感銘を与え、宣宗皇帝も弔詩で「胡児(こじ)も能(よ)く唱(うた)う 琵琶の篇(へん)」という。域外の若者にさえ歌われたのである。そしてそのまま中国の近世文学のみならず、わが国の文学にも、『源氏物語』以後、俳壇に至るまで、広く影響を及ぼすものとなった。[花房英樹]
『アーサー・ウェーリー著、花房英樹訳『白楽天』(1959・みすず書房) ▽花房英樹著『白居易研究』(1971・世界思想社) ▽近藤春雄著『長恨歌・琵琶行の研究』(1981・明治書院)』

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世界大百科事典内の琵琶行の言及

【琵琶】より

…また起源をさかのぼってペルシアの古楽器バルバットやビバットに関連づける説もある。
[中国,ベトナム,朝鮮]
 すでに唐代の中国で前記3種の広義の琵琶が形を整え(その流行は白楽天の詩《琵琶行》などで裏付けられる),それらが周辺諸国に伝えられた。奈良の正倉院に保存されている4弦の曲頸琵琶と5弦の直頸琵琶がそのなごりである。…

※「琵琶行」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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