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英雄伝説

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デジタル大辞泉プラスの解説

英雄伝説

日本ファルコムが発売するゲームソフトのシリーズ。ロールプレイングゲーム。1989年12月に「ドラゴンスレイヤー英雄伝説」がパソコン用で発売。シリーズはほかに「英雄伝説 ガガーブトリロジー」「英雄伝説 空の軌跡」があり、それぞれシリーズ化されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

英雄伝説
えいゆうでんせつ

智勇(ちゆう)、力量、才幹(さいかん)などが常人よりも卓越する人物を英雄とよぶが、これに関する言い伝えや伝説を英雄伝説という。ヨーロッパでは古代のホメロスの作品、中世の『ニーベルンゲンの歌』などに出てくる勇士たちの物語、あるいはインドの『マハーバーラタ』や『ラーマーヤナ』などに出てくる勇士たちの物語などがこれに属する。英雄譚(たん)には、アレクサンドロス大王、チンギス・ハン、豊臣(とよとみ)秀吉のような実在人物の印象や記憶を中核としたものが少なくないが、なかには架空の神話的人物や昔話の主人公などが後世になって歴史人物化されて語られるような、ギリシアのヘラクレスやオイディプスなどにみえる例も少なくない。いずれにしても、その伝承の成立時には、神とは異なるが、神の性格や能力を半分備えた一個の歴史的人物が英雄と考えられていた。古代ギリシアの英雄たちは半神半人の超人的人物で、都市、祭祀(さいし)、競技、制度、氏族、文物などを創設あるいは発明し、また邪霊や怪物などを退治して人々の難を救い、王家や名族の祖となってその霊が墓や霊廟(れいびょう)に祀(まつ)られた。古代の中近東ではギルガメシュ、サルゴン、モーセなどが、またインドではクリシュナ、ラーマなどがそうした存在であり、中国の堯(ぎょう)、舜(しゅん)、禹(う)などの聖王伝承および古代朝鮮の朱蒙(ジュモン)、脱解(タルヘー)、首露(スロー)などの建国伝説もこれに属する。そして未開民族にも、文化英雄(カルチャー・ヒーローculture hero)とよばれる超自然的人物が多く伝説に語られている。彼らは各地を漂泊、流浪して冒険や死、蘇生(そせい)などを体験したのち、奇跡を起こして祭祀や制度、文物などをつくりだしており、古典世界における英雄たちの前身と思われる。その英雄たちの性質や素性は、ヨーロッパ、アジアでも時代がさかのぼるほど超自然的色彩が強くなり、その話は神話に近くなる。日本でも神武(じんむ)天皇、日本武尊(やまとたけるのみこと)、雄略(ゆうりゃく)天皇などが邪神と戦ったり、怪物を制圧したりしており、すこぶる神話的色彩に富んでいる。
 これらの英雄伝説の発生は、実在の歴史人物の場合には側近や巷間(こうかん)のうわさが中核となり、いろいろな超自然的モチーフが加わって針小棒大化される場合が多い。しかも後世になると、宮廷や民間の伶人(れいじん)(楽人)らによってさらにいろいろなモチーフが加えられるため、その英雄の波瀾(はらん)の一代記を語る叙事詩となることもある。その場合、その英雄本来の個性は忘れ去られ、史実とは縁のない浪漫(ろうまん)譚となる。たとえばヨーロッパ中世の伶人たちが語ったアレクサンドロス大王伝説は、不死の水を求めて天国に旅したり、巨人や食人鬼などと戦ったりしている。また日本中世の源義経(よしつね)は、『御曹子(おんぞうし)島渡り』や『天狗(てんぐ)の内裏(だいり)』などによれば、鬼が島に渡ったり、他界遍歴を行って実在人物らしくなくなっている。
 一般に英雄伝説は、世界に共通してある一定の共通の話根をもっていることが、ロード・ラグランLord Raglanや、ヤン・ド・フリースJan de Vriesなどの学者によって立証された。それによると、英雄は一般に(1)王家の出であり、(2)神霊による母の受胎、(3)異常誕生、(4)山野に遺棄され、(5)小舟で流され、(6)鳥獣に育てられ、(7)さまざまな試練と危難、(8)巨竜、怪物退治、(9)美女との愛、などが次々と続き、さらに(10)各地を漂泊、流浪し、最後には(11)若くして不慮の死を遂げる。(12)その死には不思議な兆(きざし)がある。ときとして(13)死と蘇生、(14)他界訪問、などが加えられることもある。こうした生涯を送るのは普通には半神半人的な英雄であるが、ときとしてはギリシア神話のゼウス、ディオニソス、アポロンなどのような神の生涯にも語られることがあり、日本でも、素戔嗚尊(すさのおのみこと)、大己貴神(おおなむちのかみ)、諏訪明神(すわみょうじん)などのような神の試練の一代記として語られている。このような英雄としての特性をもつ神を英雄神というが、日本の典型的英雄には上代の素戔嗚尊、日本武尊などのほか、中古・中世では坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)、菅原道真(すがわらのみちざね)、平将門(まさかど)、藤原秀郷(ひでさと)、源頼光(よりみつ)、源為朝(ためとも)、源義経(よしつね)、平景清(かげきよ)、曽我(そが)兄弟などがおり、民衆に人気があった。また彼らは社寺の縁起や語り物などにも語られ、ことに日本武尊や源義経などは上述の英雄範型に合致するモチーフが数多く含まれる。いわゆる「判官(ほうがん)びいき」は、九郎判官とよばれた義経の薄幸な生涯に対する民衆の同情と憧憬(しょうけい)の傾向を表しているが、それは義経ばかりでなく、日本武尊、平将門、源為朝などにも通じる民衆の感情であった。折口信夫(おりくちしのぶ)は、日本の物語のモチーフに貴い血筋の人物が漂泊、流離、危難ののちに死ぬという、いわゆる貴種流離譚というものの存在を主張している。日本武尊、源義経などの英雄譚にもそうした特色はみられるが、こうした話根はヘラクレスやオイディプスなどの西欧の英雄にも通じるものである。また非業(ひごう)の死や夭折(ようせつ)なども同様で、英雄物語の悲劇性の起源に死霊の慰撫(いぶ)、供養(くよう)とその語りがあったということは、欧米でもカール・ケレニイKarl KernyiやニルスソンMartin P. Nilssonなどの学説にあるが、日本では菅原道真、曽我兄弟、平将門などと御霊(ごりょう)信仰の結び付きなどにこれを暗示するものがある。[松前 健]
『豊田武著『英雄と伝説』(1976・塙書房) ▽島津久基著『義経伝説と文学』(1977・大学堂書店) ▽松前健著「英雄譚の世界的範型と日本文学」(『論究日本文学』所収・1981・立命館大学)』

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