華奢型猿人(読み)きゃしゃがたえんじん(その他表記)gracile australopithecines

改訂新版 世界大百科事典 「華奢型猿人」の意味・わかりやすい解説

華奢型猿人 (きゃしゃがたえんじん)
gracile australopithecines

後期鮮新世から前期更新世の猿人うちで,歯と顎が小さめのアウストラロピテクス6種を総称する名称であるが,頑丈型猿人ほど巨大ではないという意味であって,実際原人と比べるとかなり大きいので,非頑丈型猿人non-robust australopithecinesとも呼ばれる。アウストラロピテクス・アナメンシスAustralopithecus anamensis(420万~380万年前),アウストラロピテクス・アファレンシスAustralopithecus afarensis(370万~300万年前),アウストラロピテクス・バールエルガザリAustralopithecus bahrelghazali(350万~300万年前),アウストラロピテクス・アフリカヌスAustralopithecus africanus(280万~230万年前),アウストラロピテクス・ガルヒAustralopithecus garhi(250万年前),アウストラロピテクス・セディバAustralopithecus sediba(195万~178万年前)を含む。なお,ケニアントロプス・プラティオプスKenyanthropus platyopus(約330万年前)が華奢型猿人に含まれるかどうかは,結論が出ていない。アナメンシスとケニアントロプスはケニアで,アファレンシスはエチオピアタンザニアで,バールエルガザリはチャドで,ガルヒはエチオピアで,アフリカヌス南アフリカで主として出土している。頭蓋腔容積(脳容積より10%ほど大きい)は350~450mllほどでチンパンジー大差ないが,犬歯は退化し,直立二足歩行していた。身長は110~150cm,体重は25~55kgほど。とくにガルヒは,脚が長く,石器を使った形跡があり,後のヒト(ホモ)属につながるといわれている。
猿人 →頑丈型猿人
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