萱野長知(読み)かやのながとも

改訂新版 世界大百科事典 「萱野長知」の意味・わかりやすい解説

萱野長知 (かやのながとも)
生没年:1873-1947(明治6-昭和22)

高知市の人。号は鳳梨。少年時代に上海に渡って中国語を習い,やがて宮崎寅蔵(滔天)とならぶ中国革命の支持者となった。その活動は多彩だが,中華革命党の組織には深く関与し,顧問となった。孫文臨終に呼ばれた唯一の日本人である。満州事変後,犬養毅首相の密使となって和平交渉に赴いたが,成功せず,戦後貴族院議員勅選された。養女の華恵は国民党元老居正の娘である。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「萱野長知」の解説

萱野長知 かやの-ながとも

1873-1947 明治-昭和時代前期の大陸浪人
明治6年10月12日生まれ。上海にわたり「東京日日新聞通信員となる。のち香港で孫文を知り,明治38年東京で孫文らの中国革命同盟会結成を支援。昭和12年国民政府に接触し,日中和平工作をすすめたが失敗した。貴族院議員。昭和22年4月14日死去。75歳。高知県出身。海南学校卒。著作に「中華民国革命秘笈(ひきゅう)」。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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