西日本の中国地方の和牛生産地帯で古くから用いられている用語で,体型や能力に優れた特徴を有し,かつその形質を確実に子孫に遺伝する優良系統を“蔓”と呼び,その系統に属する個体をつる牛と呼んでいる。皮膚・被毛の資質が良いとか連産性に優れているとか,つるに固有の特性がある。その作出は村落を単位とする狭い地域で,鑑識眼ある指導者の合理的な選抜と経験的に体得した近親繁殖・系統繁殖による形質の遺伝的固定によりなされたもので,古いものでは300年以上の歴史をもつものもあり,またその古いつるから生まれた新しいつるもある。有名なものに,周助つる,熱田つる,彦右衛門つる,竹の谷つるがあり,いずれも作出者や作出地の名で呼ばれている。
執筆者:正田 陽一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
菊の節供,九月節供,重九 (ちょうく) ともいう。五節供の一つ。旧暦9月9日の節供で,奈良時代より,宮中では天皇が紫宸殿に出御し,群臣に宴を賜わり詩歌文章をつくらせる菊花の宴が行われ,年中行事となった...