蔵面(読み)ゾウメン

デジタル大辞泉 「蔵面」の意味・読み・例文・類語

ぞう‐めん〔ザウ‐|ザフ‐〕【蔵面/造面/雑面】

舞楽面の一。長方形厚紙白絹を張り、墨で人の顔を象徴的に描いたもの。蘇利古そりこ安摩あまなどに用いる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

関連語 ふさく 田辺

改訂新版 世界大百科事典 「蔵面」の意味・わかりやすい解説

蔵面 (ぞうめん)

雑面とも書く。白い長方形の布または紙の一面に,墨で図案化した面貌を描いたもので,舞楽の曲目中の《安摩(あま)》や《蘇利古(そりこ)》《古鳥蘇(ことりそ)》などに使用する。奈良時代の布作(ふさく)面の写実的な表現が伎楽面と通ずるように,蔵面のきわめて象徴的に図化した表現は,舞楽面の意匠化に通ずる。材質の関係で,中世までさかのぼれる遺品は現在知られていないが,近世のものは日光輪王寺や奈良の春日大社等にのこっている。
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