古鳥蘇(読み)コトリソ

デジタル大辞泉 「古鳥蘇」の意味・読み・例文・類語

ことりそ【古鳥蘇】

雅楽高麗楽こまがく高麗壱越こまいちこつ調の大曲。舞は六人または四人舞。常装束巻纓けんえいの冠をつけ、太刀をはき、しゃくを腰に差す。

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精選版 日本国語大辞典 「古鳥蘇」の意味・読み・例文・類語

ことりそ【古鳥蘇】

  1. 古鳥蘇〈舞楽図譜 宮内庁書陵部蔵〉
    古鳥蘇〈舞楽図譜 宮内庁書陵部蔵〉
  2. 舞楽曲名高麗(こま)楽の一つで壱越調(いちこつちょう)新鳥蘇(しんとりそ)に対して伝来の古いもの。六人舞で、巻纓(けんえい)の冠をつけ笏(しゃく)を持って舞う。舞い終わって、後参桴(ごさんばち)を持って再度舞う。

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改訂新版 世界大百科事典 「古鳥蘇」の意味・わかりやすい解説

古鳥蘇 (ことりそ)

雅楽,舞楽の曲名。高麗(こま)楽にふくまれ高麗壱越(いちこつ)調。4人(あるいは6人)舞の文(ぶん)ノ舞(平舞)。別名を高麗調子曲ともいう。唐楽四箇(しか)の大曲(《皇麞(おうじよう)》《春鶯囀(しゆんのうでん)》《蘇合香(そこう)》《万秋楽(まんじゆうらく)》)に対する高麗楽の四箇の大曲(《新鳥蘇》《古鳥蘇》《進走禿(しんそうとく)》《退走禿(だいそうとく)》)の一つとされる。番舞(つがいまい)は《団乱旋(とらでん)》であった(現在は,廃曲,廃舞)。巻纓(けんえい)に緌(おいかけ)の冠をかぶり,右方襲(かさね)装束(常装束)を諸肩袒(もろかたぬぎ)にして(あるいは前掛と裾(きよ)で代用),太刀を腰に笏を手にもって舞う。嵯峨天皇の時代に,高麗の笛師であった下春(げしゆん)が日本に伝えたものという。演奏次第は,《高麗調子》(あるいは意調子)-当曲の序吹(無拍節,舞人登場)-当曲(四拍子,当曲舞,後参(ごさん)の舞)-退場(奏楽なし)。後参の舞は高麗楽の大曲4曲にだけあり,下位の舞人2人が降台したあと,楽屋から後参桴(ばち)を持参し,舞台の上に残っている上位の舞人2人にそれを渡す。後参桴を手にして上位の舞人2人が舞うのでこの名がある。なお,高麗楽の四箇の大曲のうち,面をつけずに,冠をかぶって舞うのは《古鳥蘇》のみである。
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